もの置き

てきとうに色々書きます

【デュエマ】yk800の週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.7【19.10.30】

 どうも、レッドことyk800です。つい先日、エリア予選進出者が公表されましたね! まずは店舗予選を突破された皆様、おめでとうございます。2ブロックに関しては不勉強なのであまり人のことをどうこう言えるものでもないのですが、最近の殿堂環境は「2ブロック環境上がりのアイデアを殿堂環境の幅広いカードプールで補強する」というようなプロセスで構築されたデッキが増えてきていますから、「いや2ブロやらないし……」という方でも結果を残したアーキタイプのコンセプトや動き方ぐらいは頭に入れておくのが良さそうだなと思いますね。
 僕自身もエリア予選の結果やカバレージを楽しく読んでいくために、コツコツ2ブロック環境を勉強していこうと思います。全国直前あたりには特集記事を書けるぐらい詳しくなるのが最終目標で!

 というわけで今週も張り切ってまいりますよ! メタゲーム・ウォッチング、スタートです!

先週末の結果総まとめ

 まずは先週末(19.10.26〜19.10.27)に行われたCSの結果を見ていきましょう。
(※元となった大会結果は田園補完計画さんからお借りしています。また、情報の抜け・漏れがありますことをご了承ください)


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 《ミッツァイル》が描き出す三つ巴環境。

 形としてはvol.6で紹介した先週火曜日の結果を引き継いだものになるのでしょうか。

 環境のトップ3である【火水自然ミッツァイル】、【火光ビートダウン】、【火水万軍投ジョーカーズミッツァイル】が全体入賞数の55%を占める結果となりました。このような形の環境は筆者が記録を取りはじめてから未だ見たことのないものなのでどう分析していいものかわかりかねますが……。やはりそれぞれにタイプ・レンジの違うベストデッキが3つ出揃ってしまうと他のデッキが入り込める余地が大きく減るということでしょうか。

 今回は「2ターン目に《奇石 ミクセル》・《音奏 プーンギ》を送り出して相手の出足を鈍らせ、3ターン目以降に火のスピードアタッカーで勝負を決める」というようなプランをベースにしたアーキタイプをひとまとめに【火光ビートダウン】として結果に反映させていただきました。
 このまとめ方に懐疑の念を抱く方もいらっしゃる方もいらっしゃるかとは思いますが、「環境におけるアーキタイプの役割や強み」という観点においてこれらのアーキタイプの母数を切り離して紹介してしまうのは環境認知を歪めてしまうのではないかとの判断からこのような形での紹介となります。何卒ご了承ください。


今週のトピックス

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 今週末の環境は概ね、

・もっとも遅く、もっとも出力が安定し、早いデッキに対して脆く、中速以下のデッキに対して滅法強い【火水自然ミッツァイル】

・妨害と除去を備えつつ素早く大打点形成ができ、遅いデッキには受け切られやすく、早いデッキは差し切りやすい【火光ビートダウン】

・もっとも早く、もっとも相手の事故を拾いやすい、妨害で序盤を繋ぐデッキには苦戦を強いられ、序盤をリソース拡充に費やすデッキに強い【火水万軍投Jミッツァイル】&【火単速攻】

 という3つの階級別王者に支配されていたものとなりました。【火光ビートダウン】をはじめとするメタビート気味のデッキが増加傾向にあることはコンボデッキにとってやや息苦しいトピックスとなっており、今週はあまり勝てなかったようです。

 【火単速攻】は【火水万軍投Jミッツァイル】とプレイフィール・コンセプトの面で類似するわけではないものの、トップメタを取り巻く有利不利の関係や環境内での役割という面ではかなり近いものがあると筆者は考えています。【火単速攻】の方がより何にでも勝つ反面より何にでも負けうる、【火水万軍投Jミッツァイル】の方はより相性差が激しく反映され極端なゲーム展開となりやすい、というような差異があるのではないでしょうか。


 さて、ネガティブな文脈で語られやすい話題なのであまり触れたくはありませんでしたが、目を背けるわけにはいかないのもまた事実。現環境、特に先週末成立した三つ巴環境は明確に《BAKUOOON・ミッツァイル》という1枚のカードを中心として展開されています。

 名前に《ミッツァイル》を関する2つのアーキタイプは言わずもがな、【火光ビートダウン】においては現行の最大勢力である【火光サンマックス】にこそ採用されない傾向にあるものの、超天編第1弾環境に存在した【火光“轟轟轟”ブランド】をより直裁にリペアしたような【火光ミッツァイル】が同系統コンセプトの雄となるべくその勢力を着実に伸ばしています。
 筆者個人の感想としましても、《MANGANO-CASTLE!》、《S級原始 サンマックス》など特定のパーツへの依存度が高く、自然コスト3が必須になることによりGRゾーンの枠を強く圧迫する【火光サンマックス】よりも、《全能ゼンノー》などの強力な汎用GRを採用する・GRの大部分を火文明に統一して《“魔神轟怒”ブランド》による超打点を形成するなどGRによって戦術に幅を持たせることが出来、ノイズ要素が少ないためにグッドスタッフ的に安定した展開を行える【火光ミッツァイル】の方が単純なデッキパワーとしては高くなりやすいのではないかと思います。


 ひと口に《ミッツァイル》デッキと言ってもそのアプローチは全くの別物であり、フィニッシャーでありながらも、こと《ミッツァイル》そのものへの対策というものはほとんど存在しません。考えられる対策があるとすれば、GR召喚を止めるか、あるいはデッキコンセプトそのものの脆弱性を突くか。

 前者は《「本日のラッキーナンバー!」》に加え、定期的に言及がなされる《無双の縛り 達閃》などが注目株でしょうか。

 このカードを使うことのできる【チェンジザドンジャングル】というデッキタイプは勢力として小さくはありますが、コンスタントに環境の一角として結果を残しています。また、これとは別の注目ポイントとして、【水闇自然デッドダムド】の減少より先、確定破壊除去が下火になってきているので、《ドンジャングルS7》+《気高き魂 不動》というパッケージの通りやすさが抜群に上がっています。同アーキタイプは《ミクセル》や《ラッキーナンバー》などの汎用的な妨害手段を無理なく取ることができるため環境への適応力も決して低くなく、個人的に今後の動向に注目したいデッキです。

 もう一つこのカードをうまく使うことができるデッキとして研究されているのが、【光単サバキZ】。《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を何度も使いまわせるため盤面を処理する能力が非常に高く、新戦力《♪君は煌銀河の正義を見たか?》と《トライガード・チャージャー》の組み合わせにより一気に盤面を展開しつつ確実にSSTを踏ませながら時間を稼ぎやすくなりました。先置きが要求される《ハイオリーダ》を絡めずとも、後引き《正義を見たか?》からの大量GRによって《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》に繋げてEXwinするプランが取りやすく、各種妨害手段の採用も光文明でさえあれば検討できることから、十二分に可能性を感じるデッキです。

 GR時代の風雲児《BAKUOOON・ミッツァイル》は、今のところ「使い得」であると断言せざるを得ないパワーを遺憾無く発揮しています。そう遠からぬうちに何らかの形でデュエル・マスターズの殿堂にその名を刻むことになりそうですが、果たしてそれまでに彼の権勢を一瞬でも翳らせるデッキは現れるのでしょうか。

HOT TECH

《ファイナル・ストップ》+《Wave ウェイブ》

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 vol.1でも紹介した《ファイナル・ストップ》。前回は【光水スコーラー】の専用カードとしてピックアップしましたが、今回は《Wave ウェイブ》という相方を伴い様々なデッキでの活躍が見られたためのHOT TECH入りとなりました。具体的には【水闇光ハンデス】、【火自然水光ミッツァイル】などですね。
 2コストのブーストから繋いで素早くマウント体制に移行する、ハンデスハンデスと繋いでからリソース補充のドロー呪文・一発逆転のビッグアクションを押しとどめるなど、スピード感は違うものの求められる役割は近いもの。

 このメタゲーム・ウォッチングの中でも、再三に渡り「現代デュエル・マスターズにおいては、長期封殺を狙うメタクリーチャーより、単発であっても解除ができないターン継続系のメタ能力が強い」ということをお伝えしてきたかと思います。《アイアン・マンハッタン》などのごく一部の例外を除けばターン継続式メタ能力というのはほぼ例外なく呪文であり、仮にお互いに複数枚の呪文妨害を持っていた場合、必然的に先に呪文妨害を打ち込んだ方が一方的にマウントを継続することになります。
 「先攻が4ターン目《ジャミング・チャフ》、5ターン目《龍装艦 チェンジザ》からの《ジャミング・チャフ》、6ターン目《龍素記号Sr スペルサイクリカ》からの《ジャミング・チャフ》、7ターン目《チェンジザ》からチェンジ《時の法皇 ミラダンテⅫ》+《ジャミング・チャフ》。もう片方はずっと《チャフ》抱えてたけど撃てないまま緩やかに死」みたいな展開、在りし日の【チェンジザドンジャングル】ミラーでは結構頻繁に見られた光景ですよね?

 《ファイナル・ストップ》+《Wave ウェイブ》はよりコンパクトに連続呪文封じマウントを継続しつつ、横展開によって打点を形成することでグッと勝利へ近づくことができ、さらに《ファイナル・ストップ》のキャントリップ効果によりリソースが減りません。この組み合わせをより強固なものとしてくれているのが、《回収 TE-10》。《Wave ウェイブ》で唱えた呪文は山札の下に行くことなくそのままもう一度墓地に行きますから、《回収》の対象とすることができます。実質《スペルサイクリカ》ですし、状況に合わせて唱えた呪文以外の呪文も回収できることを考えれば、むしろそれ以上とさえ言えるでしょう。

 現在のメタゲームは比重を大きく呪文に傾けているため、呪文妨害は単に受けトリガーを封じるだけのものに止まらず、複数ターンかけることができればデッキコンセプトそのものの息の根を止めてしまうほどの圧力を持っています。
 GR召喚を扱うテーマでなくとも、ある程度呪文を扱うコンセプトであればどこにでも採用しうる強力なパッケージです。これらの組み合わせを軸にデッキを考えてみる、というのも一つの手段かもしれませんね。

今週末のメタゲーム予想

 三つ巴環境はプレイヤーの視点では非常に厄介であり、その週・地域の流行りによって強いデッキが大きく変動してしまいます。なので画一化された判断はあまり意味を為さないのではないか、というのが正直なところです。筆者がどうしても選ぶというのであれば、単純にプレイヤーとして肌に合いやすい・使い慣れたデッキを選ぶというのがまずは一つ。理屈の上で考えるのであれば、三つ巴を形成する中では頭半分ほどだけデッキパワーが高く、安定感の面でもっとも優れる【火水自然ミッツァイル】を使うのが良いのではないか、といったところでしょうか。ご参考までに。

 11月前半は殿堂環境的には中休み、次のリリースは11/16の「ガチヤバ4!無限改造デッキセットDX」になるのでしょうか。エリア予選参加者の方は2ブロックの調整にいよいよ本腰を入れる頃合いでもあり、殿堂環境はあまり変化が見込めないかもしれませんね。
 2週目にしながら環境末期の様相を呈していますが、この三つ巴をブチ破るデッキが今週・来週で現れるのか、非常に楽しみです。

 少し短めですが、今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それではみなさま、良い週末を!