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サガループ攻略覚書 〜サガループ絶対に倒す赤緑メタキャンベロを添えて〜

 「最強位決定戦」、白熱しましたね。特に決勝戦の決着劇は、アーカイブを見てて生配信をリアルタイムで見ることができなかったのが大変悔しいほどでした。やっぱデュエル・マスターズなんよなぁ。

 環境的に一つの山場が終わってまた環境が変わっていく時期なので、今回は2月12日にTwitterに投稿したこのリストの構築経緯と意図、そこから私yk800が個人的に考える「【サガループ】の攻略法」をあらためて書き残したいと思います。

 あくまで3月4日現在で一般的に普及している【サガループ】の攻略法にはなりますが、何かの参考になれば幸いです。

【サガループ絶対倒す赤緑メタキャンベロ】デッキリスト

4《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》
4《リツイーギョ #桜 #満開》
4《ジャスミンの地版》
4《パーリ騎士の心絵》
4《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》
4《センメツ邪鬼<ソルフェニ.鬼>》
3《環嵐!ホールインワンヘラクレス
1《生命と大地と轟破の決断》
4《キャンベロ<レッゾ.Star>》
4《王来英雄 モモキングRX》
4《アルカディアス・モモキング》

構築経緯

 【サガループ】の構築が出回った時、僕がまず初めに着手したのは「理論上【サガループ】に絶対勝つデッキ」を構築すること。

 これは実際に「このデッキが環境で強くて活躍する!」ということは一切考えず、どのようなロジックを組めば【サガループ】に対して勝てるのか? という思考実験に近いものでした。

 一強環境が予想される場合、このように極端な例を考えることで攻略の糸口を探し出す手法を、僕はしばしば取ります。最初に有効そうなアクションをあらかた洗い出すことで、部分部分を切り取って他のデッキにも流用できることがあるからですね。

 まずは「【サガループ】に絶対に勝てるデッキ」の要件を考えていきましょう。

 同速デッキはどこまでいっても先手絵合わせゲーを超えられないので、単なる3キルデッキはなし。最低でも2ターン目にメタカードを置きに行く意思が見える構築であることが大前提です。

 また、単なるビートダウンで勝とうとすると数枚トリガーを採用されるだけで「絶対に勝」てないことがわかったので、可能であればトリガーまで完全にケアして勝てるデッキが望ましいです。

 強そうなコスト2以下のメタを上から順番にピックすると《若き大長老 アプル》と《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》がいたのでこれらをベースに構築をスタート。2種8枚だとちょっと物足りないので、強度はまずまずでもループは確実に止められる《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》を2枚採用してメタカード10枚に。

 さらに、墓地コンボデッキというものはたいていが墓地にカードがあることそれ自体がアドバンテージになりがちです。どのような構築が出てくるかはわかりませんが、少なくとも《超神星DOOM・ドラゲリオン》素召喚プランや《龍装鬼 オブザ08号》でのメタクリーチャー突破を狙ってくることは容易に想像ができました。

 メタクリーチャーを置けばとりあえずループが止まってそうな顔はできますが、墓地を放置し続ける限り何らかの干渉手段でメタクリーチャーが機能しなくなった場合に一瞬で敗北してしまいそうです。

 なので、3マナの墓地リセットを《お清めシャラップ》と《パーリ騎士の心絵》の2種8枚採用。比較的高いカードパワーを保ちつつ墓地リセットを大量に採用できるのは自然文明の特権ですね。

 勝ち手段となる上のマナコスト域には《お清めシャラップ》、《パーリ騎士の心絵》と相性のいいカードを採用したいところ。《パーリ騎士の心絵》から《センメツ邪鬼<ソルフェニ.鬼>》に進化しつつ《キャンベロ<レッゾ.Star>》に侵略するデッキは以前に組んだことがあったため、《ジャスミンの地版》や《王来英雄 モモキングRX》などのパーツをこの基盤からそのまま流用することにしました。

 《キャンベロ<レッゾ.Star>》も言うまでもなく【サガループ】に対して非常に有効なフィニッシャーで、トリガーを踏んでメタクリーチャーを返されてしまったとしても、ロックが効いていれば返しに勝ち切られることがないため信頼性が高いです。

 これらのカードを突っ込みつつ、相性のいいフィニッシャーとしてトリガーや呪文除去を封殺してロック状態を維持しやすそうな《アルカディアス・モモキング》、追加の墓地リセットかつ先攻時に《ジャスミンの地版》から繋いで強力なカードとして《環嵐!ホールインワンヘラクレス》を採用。

 こうして出来上がったプロトタイプがこちらになります。

 とりあえずこの構築で回し始めたのですが、開始から30分ほどで違和感に気付きます。

 「とにもかくにも、アプルが邪魔」

 回す前に気付けという話なんですが、メタクリーチャーを置いた後に墓地リセットを入れようというコンセプトで構築されたこのデッキでは、《若き大長老 アプル》の「相手のカードは墓地を離れない」効果がひたすらに邪魔です。

 頑張って《若き大長老 アプル》を2体並べたにも関わらず、墓地が飛ばせなかった結果オブザオブザサガからループに入られて負ける展開を味わうなど、《若き大長老 アプル》の対【サガループ】性能にかなり疑問を抱くようになりました。

 また、《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》はやはりカードが弱いのが難点。早々にループに見切りを付けてサブプランを通しにいく形を取られると後々にカードの弱さが響く印象を受けました。あとこんだけメタ取ってるデッキでは過剰。

 これらの弱点を差し替えつつ、回していく上で気付いたセオリーを当てはめてブラッシュアップした形が、記事の冒頭に貼った構築です。

サガループの攻略法

 ここからは、このサンプルリストを元に対サガループデッキの構築理論を解説しつつ、一般化できそうな要素を書き出していきます。

メタカードを出す→除去させる→墓地リセットの流れが対サガ最強

 まずはこの構築のベースとなる理念、「2tメタクリ→3t墓地リセット→4tビッグアクションorメタ再展開」についてお話しします。

 対【サガループ】、後手のゲームを想定してみましょう。

 先2ルーターの返しに後2メタクリーチャーと展開した場合、先手の【サガループ】側にコンボパーツと《「敬虔なる警官」》が揃っていれば、【サガループ】としては《「敬虔なる警官」》をプレイしたくなる状況です。

 盤面をこじ開けて返しの再展開を阻止しつつ、コンボを通せばそのまま勝ち。非常に魅力的ですね。

 しかし、ここで《「敬虔なる警官」》が通った返しに墓地リセットを撃つと、状況はどうなるでしょうか。

 墓地はゼロ、手札には2枚の《絶望神 サガ》以外にあと1枚とトップから引いたカードのみ。マナを置いてしまうと自由に使えるカードは1枚しか残りません。マナセットしても4マナしかないのでルーターをプレイして即コンボイン、というルートも取れず、勝利目前から一転、一気に道筋が制限されてしまいます。

 【サガループ】側にとって、軽量メタカード除去のプレイは基本的にアド損かつテンポ損の悪手です。

 なにせ手札を1枚使って、墓地も増えず山札も掘れない行動を強制されているわけですから。

 それでもなお採用されているのは、「メタクリーチャーの除去+再展開ロックで1ターンもらってループを決めれば勝ち」というわかりやすいリターンがあるからです。ならば、そこを潰してやりましょう。

 後手2tにメタを置いて《「敬虔なる警官」》を誘い、そこに墓地リセットを当てると【サガループ】側はアドバンテージ面・テンポ面の両方でとんでもない損失が発生します。仮に除去されなかった場合でも、基本プラン通りに墓地をリセットすればメタクリーチャー+墓地0の構えが完成。

 これを一気に打破してコンボに入るには「除去+墓地肥やし+《絶望神サガ》召喚=基本的に7マナ以上貯めたうえでさらに手札に特定のカード4枚」という厳しい手札を要求できるため、莫大な時間を稼ぐことができます。

 以上のように、墓地リセットをうまく活用して相手に甚大な損失を発生させて隙を作り、安全に自分の動きを通すのがこのデッキの基本的なコンセプトです。

 この「2tメタクリ→3t墓地リセット→4tビッグアクションorメタ再展開」メソッドが最も重要かつ汎用性が高く、広く流用の効く手法だと考えています。【サガループ】攻略を考えるうえでまず意識すべきポイントです。

《若き大長老 アプル》は取扱注意!

 構築経緯でもお話ししたように、対策のベースは墓地リセットで、そこにどのように他のメタを組み合わせていくかを考えるのが対【サガループ】、というよりも対墓地コンボデッキのセオリーでしょう。

 《龍頭星雲人》や《龍装鬼 オブザ08号》といった魅力的なサブオプションが多数存在する現代デュエル・マスターズで、墓地からの踏み倒しコンボだけを意識して墓地の枚数をおろそかにするのはナンセンスです。

 特に俎上に上がるのが、《若き大長老 アプル》。

 単体での効果だけを見れば確かに強力ではありますが、墓地コンボ側も《若き大長老 アプル》が環境に存在する前提で構築され、プレイされているのは言うまでもありません。特に考えなしで《若き大長老 アプル》を使い、それだけをもって【サガループ】対策とするとあちこちに無理が生じます。

 ですが、一部のデッキにとっては《若き大長老 アプル》のメタ能力が最適解になりえます。

 「《若き大長老 アプル》で蓋をしない」デッキ、端的に言えば《若き大長老 アプル》を出した次のターンには勝てるデッキです。

 とにかくループをさせたくないだけ、1ターンループをズラせば先に何らかのコンボやビートダウンで勝利してしまえるのであれば、長期的に墓地を溜め込まれることのリスクを考慮しなくてよいため採用価値があるでしょう。具体的に環境に存在するデッキで言えば、【アナカラーサガループ】や【赤緑逆悪襲】がこの区分に入るでしょうか。

 他にも同じように「ループさえ1ターン止めれば勝つ」デッキであれば採用してもよいかと思いますが、どのようなゲーム展開になるかを考えずに「とりあえず【サガループ】対策として一番有名だから」という理由で《若き大長老 アプル》を入れても、基本的に対策にはなっていません。

 強度の高い《とこしえの超人》が第1候補、少し離れて次点に来る《リツイーギョ #桜 #満開》を採用し、墓地リセットを併用するのが個人的にはよいかと思います。

 基本的には取り回しのいい《とこしえの超人》の優先度が高いですが、今回のデッキでは【赤単我我我】の《“罰怒”ブランド》プランや【オービーメイカー】をふんわり意識できることと、練習相手として対面していたそぉい(@Fai_ry_BIue)さんの《終断γ ドルブロ/ボーンおどり・チャージャー》+《絶望と反魂と滅殺の決断》パッケージ採用型の【サガループ】に対して、《絶望と反魂と滅殺の決断》の-4000一回で除去されないパワーラインが活きることを評価して採用しています。

 ちなみに、対面で回してもらった【サガループ】のなかでこのドルブロダークネス型の【サガループ】が個人的に一番やりたくない【サガループ】でした。

 墓地を飛ばせば《龍頭星雲人》も《龍装鬼 オブザ08号》も機能しなくなりますが、そんなことは全く関係なく4ターン目の《絶望と反魂と滅殺の決断》2面処理→5ターン目の《絶望と反魂と滅殺の決断》2ハンデスでリソースをもりもり削り取られるため、対サガデッキからすればこのうえなく厄介なパッケージだと考えています。

墓地リセット+メタクリーチャーを作ったあとは

 墓地をリセットしてメタクリーチャーも立てたし、これで盤石……かと思いきや、【サガループ】はまだしぶとい。大量のルーターや《蒼狼の大王 イザナギテラス》で山札を掘り進め、あの手この手で状況の突破を狙ってきます。

 定期的に墓地リセットを挟むことである程度の対応は効きますが、リソース源がなければやがて対応の手は止まってしまいます。その一方で、何らかの手段でこちら側が一方的にアドバンテージを稼げるのであれば、直接アドバンテージを得る手段がほぼ無い【サガループ】側は必ずジリ貧になります

 【サガループ】はお手軽とはいえ、墓地0の状況からでは最低でも手札にカードが2枚、トップ運に頼らず確実にコンボを決めにいくのであれば3枚は必要なコンボですので、こちらの行動にリアクションをしている余裕はほとんどありません。要するに、こちらがガス欠にならなければ相手に好き放題される心配はないわけです。

 構築によってはシンプルにドローソースを採用するのも一つの手ですが、現代デュエル・マスターズには墓地リセットと継続的なリソース源を兼ね備えた夢のようなカードが存在します。

 《環嵐!ホールインワンヘラクレス》はわかりやすく使いやすい【サガループ】対策として個人的に強くオススメしたい1枚。

 いくらあっても困らない墓地リセットに永続的なリソース源となる「マナからのクリーチャー召喚」能力持ち。綺麗に着地させれば【サガループ】との消耗戦にも真っ向から張り合える、どころか有利な状況を維持し続けながら戦えます。

 また、シンカパワーを使える構築に限りますが、《パーリ騎士の心絵》にも似たような効果が期待できます。

 こちらは永続的にリソースを稼げるわけではないものの、除去しなければ状況を打開できない《カンゼン邪器<不明.鬼>》や《絶十<九極.Star>》などと併用すると、除去に手札を使わせつつこちらはシンカパワーの再利用で一方的にアドバンテージを回収できるため効果的です。

対サガループの最終兵器、「呪文ロック」

 呪文ロックは青黒純正型の【サガループ】に非常に有効なメタ手段です。

 ……「いや、【サガループ】ってクリーチャーコンボじゃん」と思われるかもしれませんが、呪文ロックがあれば先述したリソースゲームの概念を完全に破壊することができるのです。

 《エマージェンシー・タイフーン》、《ローレンツ・タイフーン》、《ブラッディ・タイフーン》、《終焉の開闢》、《絶望神サガ》、《ボーンおどりチャージャー》、《冥界の不死帝 ブルース》。

 【青黒サガループ】において一般的に採用されるカードのうち、単独で墓地肥やしに直結するカードは以上の通りです。見ていただければ分かるとおり、《絶望神サガ》と《冥界の不死帝 ブルース》以外はすべて呪文のみ。呪文ロックされてしまうとまともに墓地を肥やすことすらできません。

 もちろん効率のいい手札入れ替え呪文で山札を掘り進めることもできませんし、受け札も大半は呪文で構成されているため防御面も素通し。コンボ部分はクリーチャーコンボなのでわかりづらいですが、コンボ以外の部分を強く呪文に依存したデッキなのです。

 クリーチャーでの墓地肥やしも可能ではありますがすぐに墓地を貯められるわけではありませんし、《アルカディアス・モモキング》に至っては強制的にタップインさせて殴り返してシステムを停止させられます。

 ここから山札切れで勝利を狙う!というのであれば逆転の目もあるでしょうが、速やかに殴って勝利を目指すのであれば抜け道もほとんど気にならないでしょう。

 《アルカディアス・モモキング》に限らず、《正義の煌き オーリリア》や《聖魔連結王 ドルファディロム》でも似たような効用が期待できます。墓地リセット+メタクリーチャーに加えて呪文ロックも取り入れれば【サガループ】対策は万全と言って差し支えないでしょう。

まとめ

 というわけで、個人的にずっと考えてきた【サガループ】攻略をあらためてまとめた記事でした。

 ちょっと《天渚の鎖 イキリワニ》になりますが、《若き大長老 アプル》が【サガループ】対策として微妙なのは実際に対面してプレイしてみればすぐに分かることなので、今回の「最強位決定戦」で上位陣が軒並み《とこしえの超人》+墓地リセットを採用してきたのは「やっぱそうだよね!」と答え合わせをできたような感覚でした。いや、まあ、そうなるよね。うん。

 一強環境は研究・攻略を積み重ねれば積み重ねるほどそのデッキに対して「勝てる」アプローチが見えてくるため、個人的には非常に面白い環境です。メタを越えようとしてくるトップメタと別軸でやりとりしてる時がデュエマで一番楽しいかもしれない。

 この「サガループ絶対倒す赤緑メタキャンベロ」が環境で強いとは全く思いません。踏み倒しメタに弱いし《若き大長老 アプル》にも弱いし。あくまで大事なのはメソッドの共有ですので、その点はご容赦ください。

 それでは、いい【サガループ】メタライフを!