もの置き

てきとうに色々書きます

もうすぐ王来篇第2弾! 新カードスパムレビュー -SR篇・後編-(レッドRe:ログ Vol.9)

 ちょっと忙しくて後回しにしてたらもうあさってには発売なんですが!!!!!

 今回の評価は10(小数点合わせて実質20)段階。

10:そのカードを使うためにデッキが歪むことすら肯定されるカード
9:環境の形を定義するカード
8:環境デッキで頻繁に採用され、構築の段階で存在が意識されるカード
7:環境デッキで採用され、プレイの段階で存在を意識することもあるカード
6:環境デッキに採用されることもあるカード
5:環境レベルではないものの、デッキのコンセプトまたはエンジンになりうるカード
4:テーマデッキのパーツとして使用に耐えるカード
3:テーマデッキのパーツとして候補に上がるが、最終的にデッキから抜けるであろうカード
2:ギリギリ独自性があるが、特に何かをするわけではないカード
1:既存カードの下位互換であるカード

 みたいな感じで評価付けしてます。

 この評価は将来性込みではなく、現在のプールでの評価となりますので悪しからず。

 SR以降は数多いので前編後編で分けていきます。この記事は後編!

《ウェイボール<バイロン.Star>》


コスト3 パワー12000
水 スター進化クリーチャー
トリックス/リヴァイアサン/レクスターズ

■スター進化:レクスターズまたは水のクリーチャー
■T・ブレイカ
■このクリーチャーが攻撃する時、カードを2枚引く。その後、自分の手札が6枚以下なら、攻撃を中止する。



評価値:7.5

 《レジェンダリー・バイロン》要素皆無の開き直りっぷり。もしかしてこいつディスペクターなんじゃねえの? 逆に《Wave All ウェイボール》要素は結構あって、「対処されづらい置きアドバンテージメーカー」という役割はかなり近しいものがあります。

 基本的には打点として使うカードではなく、毎ターンカードを2枚引き続けるお化けリソースカード。特に《瞬閃と疾駆と双撃の決断》とは非常に相性が良く、踏み倒し+連撃付与で速攻4ドローをキメると《絶望と反魂と滅殺の決断》程度ではびくともしないハンドアドバンテージでリソースゲーを崩壊させてくれるのが魅力的です。

 ちなみに攻撃が中止された際にも「攻撃の後」に誘発する能力は解決できるため、ちゃんとアンタップできます。安心して連撃4ドローしてください。

(※参考リンク:https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/33428/

 「スター進化+パワー12000+出て殴った時点で2ドローは終えている+このカード自体がゲームに勝つわけではない」という厄介な要素の組み合わせで、損せずに対処しきる手段は非常に限られます。

 仮に除去をここに使ったとしても、ゲームを決定づける本命は後続。一方的に損をする処理の仕方ではリソース差で負けてしまいます。スター進化だから処理する旨味も少ないし……。とはいえ対処しないことには延々とアドバンテージを稼がれ続けるし……。ぐぬぬぬぬ……。

 このダブルバインドは見た目の軽さからは想像しづらいほどの面倒くささ。

 使えるデッキは実は結構狭くて、2ターン目に水のクリーチャーかレクスターズを出すor《瞬閃と疾駆と双撃の決断》で《ネ申・マニフェスト》とセットでプレイする工夫はほぼ必須になります。

 個人的にはコンパクトに打点を形成して殴りかかれる《“極限駆雷”ブランド》+《我我我ガイアール・ブランド》のパッケージを活用したデッキで使うのがよさそうに感じました。たぶんデザイナーズではありますが、シンプルに強いね。

ビシャモンス<ハンニバル.Star>》


コスト3 パワー15000
闇 スター進化クリーチャー
マフィ・ギャング/デーモン・コマンド/レクスターズ

■スター進化:レクスターズまたは闇のクリーチャー
■T・ブレイカ
■このクリーチャーの攻撃の終わりに、カードを2枚、自分の墓地から山札の下に置いてもよい。そうしなければ、このクリーチャーを破壊する。



評価値:7

 信じられないかもしれませんが、普通に強いです。

 返霊をモチーフとした墓地コスト要求が「任意である」のがめちゃくちゃ強く、都合のいい時だけ、好きなように自壊させられるので見た目より自由度高め。

 打点の大きさはもちろんパワー15000が尋常じゃなく強く、大概のクリーチャーは殴り返せるうえに、殴り返しでこのクリーチャーを止める手段はほとんどありません。

 コスト3ということで踏み倒しサポートが異常に充実しているうえに、コマンドなので《SSS級天災 デッドダムド》や《S級不死 デッドゾーン》になれるうえ、侵略すると墓地コスト要求がオミットされるためノーデメリットで盤面を制圧できます。

 後述する《テラ・スザーク<ナーガ.Star>》や《阿修羅ムカデ<デスシラズ.Star>》の踏み倒し先としてデッキに2枚ほど忍ばせてもよし、《戦略のD・H アツト》系からスタートしてガッツリ4枚取る速攻気味の構成もよし。

 遅い戦術とは噛み合わせが悪いものの、ビートダウン戦略であればかなり幅広く使える良SRです。

《ガヨウ神<シューマッハ.Star>》


コスト4 パワー6000
火 スター進化クリーチャー
ジョーカーズ/アウトレイジMAX/レクスターズ

■スター進化:レクスターズまたは火のクリーチャー
■W・ブレイカ
■このクリーチャーが出た時、自分の手札を1枚捨て、その後、カードを2枚引く。こうして捨てた手札がジョーカーズなら、相手のパワー6000以下のクリーチャーを1体破壊する。
■このカードが離れた時、下にあったクリーチャーをアンタップする。



評価値:3.5

 全ての要素が噛み合っていないカード。

 4マナ払って進化クリーチャーを出してできることが《勇愛の天秤》で強いわけがないので、基本的にはジョーカーズを捨ててパワー6000以下のクリーチャーの破壊を狙っていくことになります。

 が、そもそも進化元に「ジョーカーズ」がないため、既存のジョーカーズデッキにそのまま入れても何もできません。なんならジョーカーズの定番初動カードである《ヤッタレマン》を進化元にできません。一撃奪取サイクルなどで軽減しての3ターン目プレイ自体はできますが、その場合ジョーカーズ寄せをしていないため安定した6000火力プレイには疑問が残ります。

 さらに言えば、ぶっちゃけ4マナ払って進化クリーチャーを出して手札交換をして6000火力を撃っても、まだパワー不足です。現代デュエル・マスターズの4〜5マナ域に、6000火力1発でテンポスイング取れるほど脆いカードはほとんどないわけで。

 アンタップ能力についても、特に能動的に活かす手段もないため中途半端。

 追い討ちをかけるように、レクスターズジョーカーズの戦略は基本的に《王来英雄 モモキングRX》に集約されているため、この手の軽い進化クリーチャーの肩身はとても、とても狭いです。火の軽量レクスターズはビートジョッキーに枠を取られてるので、ジョーカーズが出る幕ないんですよね。

 光ジョーカーズの発展性次第では《「正義星帝」<鬼羅.Star>》とのセットでワンチャンスあるかも……? でも変に構築をジョーカーズに縛られるくらいなら大体の場合で《マニフェスト<マルコ.Star>》の方が強いと思います

 厳しい評価ですが、筆者の私見では愛があれば使ってもいいかな? というレベルのカード止まりです。明確に突き抜けた部分のある《偽爆電融 ゾルネードシヴァ》君の方がもしかすると使いやすいかもしれないレベル。

《モンキッド<ライゾウ.Star>》


コスト7 パワー16000
自然 スター進化クリーチャー
ジョーカーズ/アース・ドラゴン/レクスターズ

■スター進化:レクスターズまたは自然のクリーチャー
■T・ブレイカ
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。その後、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つ進化クリーチャーを1体、自分のマナゾーンから選び、出してもよい。



評価値:7.5

 打撃力の雉に続いて現れたのは、柔軟性の猿。

 猿の持つテクニカルなイメージとどこか忍者っぽさを感じさせる(元ネタはサムライだけど)《バルガライゾウ》を掛け合わせたナイスなスター進化です。

 能力もまさしく「変化の術」で、複雑な書き方をしていますが、ほとんどの場合で「このカードをマナゾーンの好きなスター進化クリーチャーとして扱う」能力になります。

 主人である《王来英雄 モモキングRX》との相性は極めて良く、序盤にマナに埋めたカードをこのカード経由で好きに再利用できるため、プレイ・構築ともに柔軟性が飛躍的に向上します。

 コスト7という重さや多くの進化クリーチャーをデッキに要求する都合上「汎用性が高い」とは口が裂けても言えず、単体で強いカードでもありませんが、こと《王来英雄 モモキングRX》デッキにおいては極めて便利なジョーカーとして役に立ってくれるでしょう。

 ぶっちゃけ見たままの能力なのであんまり書くことがない。マナが減らないのえらいですが、このカードからこのカードを連鎖して……みたいなことをしようとすると《王来英雄 モモキングRX》が最速で登場する5マナ段階では間に合っていないので注意しましょう、ぐらいかな。

《テラ・スザーク<ナーガ.Star>》


コスト5 パワー9000
水/闇 スター進化クリーチャー
ドルスザク/ナーガ/レクスターズ

■スター進化:レクスターズ、水のクリーチャー、または闇のクリーチャー
■W・ブレイカ
■このクリーチャーはブロックされない。
■このクリーチャーが出た時、カードを2枚引き、その後、自分の手札を2枚捨てる。
■このクリーチャーが攻撃する時、コスト3以下のクリーチャーを3体まで、自分の墓地から出す。



評価値:9

 このカードはちょっと強い《「正義星帝」<鬼羅.Star>》です。

 いや、本当か? って思われるかもしれませんが、少なくとも僕はそう思いました。

 進化元が水または闇の2色あることで幅広く、マナカーブ的にも《天災 デドダム》から綺麗に繋がってそのまま進化できるライン。

 墓地からの踏み倒しなので《ネ申・マニフェスト》や《虚∞龍 ゲンムエンペラー》といった墓地肥やしレクスターズの登場時能力が全て無駄なくリソースになり、さらに言えばそれらのクリーチャーはみんな攻撃時能力の踏み倒し範囲内。

 墓地リセットに対しても自前の登場時ルーティングである程度は対応でき、《オッケーBros.》があれば《カダブランプー》を介したアンタップコンボも再現可能なうえ、3体まで踏み倒せる(=あと2体自由に広げられる)ので単なる連続攻撃に止まらない展開で相手を圧倒できます。

 《学校男》や《堕魔 ドゥポイズ》で《オッケーBros.》と自身を割って無限アタックしながら相手の盤面を全滅させるなんて芸当も可能。

 もちろん《「正義星帝」<鬼羅.Star>》よろしく《ネ申・マニフェスト》に載せてアンタッチャブルを付与すれば無限アタックの通りは飛躍的に向上します。なんなら《ネ申・マニフェスト》がなくとも、なぜかこいつは素でブロックされません。なんで?

 進化クリーチャーも踏み倒せるため、先述した《ビシャモンス<ハンニバル.Star>》とも相性抜群。墓地から《ネ申・マニフェスト》+《ビシャモンス<ハンニバル.Star>》+《オッケーBros.》と踏み倒して《テラ・スザーク<ナーガ.Star>》を起こせばそれだけでジャスキルが生成できます。

 カード単位で見ればメタクリーチャーに弱い側面はあるものの、水/闇というカラーリングのおかげで構築次第ではメタクリーチャーを除去するのもそれほど苦ではありません。

 断言しますが、めちゃくちゃ強いです。4枚買え枠。

《アアルカイト<ペガサ.Star>》


コスト6 パワー12000
水/自然 スター進化クリーチャー
トリックス/ペガサス/レクスターズ

■スター進化:レクスターズ、水のクリーチャー、または闇のクリーチャー
■T・ブレイカ
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から1枚目を表向きにする。それが進化ではないクリーチャーなら出し、それ以外なら手札に加える。
■このクリーチャーが攻撃する時、自分の他のクリーチャー1体の、そのクリーチャーが出ることによってトリガーする能力を使ってもよい。



評価値:5

 進化ではない! コスト6! 他のクリーチャー1体の!

 うーん…………?

 めちゃくちゃ派手だしT・ブレイカーがすこぶるえらいんですが、結構使い道に困るカード。《王来英雄 モモキングRX》から出したいんですけど、そうしたら進化クリーチャーがデッキに増えるので微妙に使いづらいんですよね。

 2→《ウマキン☆プロジェクト》or《天災 デドダム》→これみたいな動き方をしようとしても、今度は無難な基盤カードが増えすぎて踏み倒して旨味のあるカードが微妙に搭載しづらかったり……。まあ《天災 デドダム》コピーするだけで結構強いので文句は言えなさそうですが。

 あとは、実は最近の「踏み倒して爆アド取れる大型カード」って意外と常在型能力がベースで、あんまりコピーして美味しい能力がない、というのも悩みどころです。《キング・マニフェスト》とかとは相性いいのかも?

 地味〜ですが《奇天烈 シャッフ》や《イニシャッフチブ》の登場時能力をコピーできるとかなりハッピー。カラーリングといい相性の良さそうなカードといい、王来篇では珍しく全体的にチームウェイブ感の漂うカード、というのが筆者の私見です。

 いろいろ考えた結果、個人的には《偽槍縫合 ヴィルジャベリン》を踏み倒すのが一番強いという結論になりました。背景ストーリー上では敵対するディスペクターと相性がいいというのも皮肉な話ですが、デュエマでは良くあることですね。

おわり

 SRが終わったので、あとはVRを軽ーくつけて、R以下の気になるカードを書いての2本で終わると思います。結構先長いな!

 それではまた明日。