もうすぐ王来篇第2弾! 新カードスパムレビュー -キングマスター篇-
10:そのカードを使うためにデッキが歪むことすら肯定されるカード
— レッド@yk800 (@yk800RED) 2021年6月15日
9:環境の形を定義するカード
8:環境デッキで頻繁に採用され、構築の段階で存在が意識されるカード
7:環境デッキで採用され、プレイの段階で存在を意識することもあるカード
6:環境デッキに採用されることもあるカード
みたいな
なんか微妙にハネたので、これに則って個人的な感覚で新カードに数値付けしていきます。今回はキングマスター3種。
Twitterのは6までしか書いてませんでしたが、こっから下は
5:環境レベルではないものの、デッキのコンセプトまたはエンジンになりうるカード
4:テーマデッキのパーツとして使用に耐えるカード
3:テーマデッキのパーツとして候補に上がるが、最終的にデッキから抜けるであろうカード
2:ギリギリ独自性があるが、特に何かをするわけではないカード
1:既存カードの下位互換であるカード
ぐらいで考えてます。最近のカードパワー基準だとSR・VRはほぼ5以上、Rでもほぼ4以上と考えて差し支えないので、おそらくこのレビューで出るのは一番下でも4になると思います。
あと、この評価は将来性込みではなく、現在のプールでの評価となりますので悪しからず。
《アルカディアス・モモキング》
コスト6 パワー12500
火/光 スター進化クリーチャー
ジョーカーズ・ドラゴン/エンジェル・コマンド/レクスターズ■スター進化:レクスターズ、光のクリーチャー、または火のクリーチャー1体の上に置く。
■T・ブレイカー
■自分の他のレクスターズすべてのパワーを+2000する。
■相手は光以外の呪文を唱えられない。
■各ターン、はじめて出る相手のクリーチャーは、タップして出る。
評価値:7.5
じつは多色の文明進化って侵略周りに数体いるぐらいで本格的な登場はおそらくこの弾が初めてだと思うんですが、めちゃくちゃ進化条件ゆるくて赤白入るクリーチャーデッキなら全部採用を検討できるレベルだと思います。
呪文ロックは当然のことながら、実はデュエプレ版《聖霊王 エルフェウス》式のタップイン強制能力が非常に強く、おそらくこのカードの存在を意識しない構築は手も足も出なくなると思います。
基本的に非常に強力なカードではあるものの、ネックはいくつか存在します。まずは赤白というカラーリングにおいて綺麗なマナカーブでプレイしづらいコスト6である点。
基本的には重いので必然的に緑を絡めた展開を作っていくことになると思うんですけど、《ウマキン☆プロジェクト》や《天災 デドダム》といった「ハンドリソースを減らさずにマナを伸ばせる進化元」というのが赤緑・白緑では用意しづらいです。
となるとやはり定番の《王来英雄 モモキングRX》に頼ることになるんですが、今度は同じ弾に収録される《赤い稲妻 テスタロッサ》や《凶鬼77号 ビムナム》などの新鋭メタカードが非常に厄介な存在に。
メタクリに弱く、メインエンジンが4枚しか採用できないので安定感に欠け、手札からの踏み倒しなので逃がし先もない。RXデッキの典型的な弱点がそのままのしかかる形になるため、少しパンチに欠けます。
実は5cが雑に《龍風混成 ザーディクリカ》に乗っけて殴りかかるのが一番強いかもしれない。
テキストだけを見れば文句なしで8〜9評価ですが、マナカーブの観点で相性がいいカードが少なく、デッキになりづらそうなのが懸念点。個人的には4コスで手札を減らさず1マナ増やせるクリーチャーがレクスターズに登場すればめちゃくちゃ化けるのではないかと思っています。
《禁時混成王 ドキンダンテⅩⅩⅡ》
コスト9 パワー99999
火/光/水 クリーチャー
ディスペクター/エンジェル・コマンド・ドラゴン/禁断■EXライフ
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、相手のクリーチャーの能力をすべて無視する。
■相手のターン中、相手がコスト9以下のクリーチャーを召喚した時またはコスト9以下の呪文を唱えた時、自分はカードを1枚引いてもよい。その後、コスト9以下の呪文を1枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。
評価値:8
いろいろ考えたんですが多分めちゃくちゃ強いです。ミラーはちょっと話変わりますが、ほとんどのデッキに対しては「出たら7割勝つ」ぐらい言ってもいいと思います。
コスト9という法外な踏み倒し範囲のおかげでどれだけ強いカードを踏み倒せるかに目が行きがちですが、そもそも論として相手が動くだけで1ドローがついてくるのがまず相当強い。
さらに、個人的には《ドンドン火噴くナウ》の存在がこのカードの厄介さに拍車をかけていると考えています。
出したクリーチャーが即除去されればマッハファイターやスピードアタッカーを起点とした侵略・革命チェンジなどによるボード奪取すらも許されず、実質的にEXターンを取られて終わることになります。これはまあ、めちゃくちゃ強い。
この辺りの観点からディスペクターの中でもすこぶる早出し適性が高く、仮に素早く返されたとしてもほぼ間違いなく2回は能力を行使するタイミングがあるので、その2回でブースト札撃ったりハンデスしたりするだけで圧倒的な優位を築けます。書いてて思ったけど《焦土と開拓の天変》とかでも普通にウザそう。
早出しした場合は強い呪文を連打できない代わりに相手にリソースの消耗を強い、どっしり下準備を整えて出した場合はまさしく「出せば勝ち」の完璧な蓋として機能。
総じて、専用構築はもちろん単なるビッグマナまで適性のあるカードだと思います。マジで火噴く連打してるだけで勝てるゲームまあまああるのやばいよ。
非常に強いですが、基本的に受動的なカードであるため環境を定義するカードとは言いがたく、このカードを入れるために既存の構築に相性のいいカードを追加採用すべきか? と言われると少々懐疑的です。せいぜい汎用性の高い《獰猛なる大地》の追加採用が検討される程度でしょう。
弱点は言うまでもなく、とにかく重いこと。いくつか素早く叩き込むギミックはありますが、撃ちたい呪文と無理のないマナカーブと早出しギミックを全部成立させるのは結構骨が折れます。
専用構築の中では、なんだかんだで脈動ルシファーが個人的にはお気に入り。
《砕慄接続 グレイトフル・ベン》を使うなどの理由が特にない場合は、基本的に《Disアイ・チョイス》より《呪術と脈動の刃》の方が強いと思います。呪文だし、5コスなので。
《我我我ガイアール・ブランド》
コスト8 パワー9000
火 スター進化クリーチャー
ビートジョッキー/レッド・コマンド・ドラゴン/レクスターズ■このクリーチャーを、コストを3少なくし、さらに、このターン自分の他の火のクリーチャーを召喚していれば、追加で3少なくして召喚してもよい。そうしたら、このターン、このクリーチャーは可能なら攻撃し、その攻撃の後でこのクリーチャーを破壊する。
■スター進化:レクスターズまたは火のクリーチャー1体の上に置く。
■W・ブレイカー
■このカードが離れた時、自分のクリーチャーをすべてアンタップし、このターンそれらに「スピードアタッカー」を与える。
評価値:6.5
強い。が、ビートダウン自体がかなり難しい環境ではあるので評価は低めになります。
単体で速度を出せるわけではないのがネックで、いわゆる金太郎飴デッキであることが望ましい赤単のようなデッキと噛み合うかというと実はそんなでもない気もしています。
個人的に強そうだと感じている方向性としては主に2つで、まずは真っ当にリソースを稼げる赤青系のデッキにおいて、《無重力 ナイン》とセットで運用して2マナで3+αの打点を一気に形成する構築。
強力なアウトレイジ、特に《終末の時計 ザ・クロック》や同時に登場する《赤い稲妻 テスタロッサ》をシナジーを見込みつつ採用できるほか、《轟く革命 レッドギラゾーン》よろしく先置きした《奇天烈 シャッフ》をアンタップ能力で起こして2回の宣言で攻めるプランも取りうるのが強みです。
《無重力 ナイン》に限らず、《飢えと渇き ケローラ》のように1コスの火アウトレイジを使っても《我我我ガイアール・ブランド》に着火可能。
開発もこの運用を意識しているのか、「技の章」には火・水を基調としたアウトレイジ戦略の収録も予告されており、将来性にも期待できますね。
2つ目が、《龍星装者 “B-我”ライザ》デッキのサブプランとしての運用。
強いポイントとして、このカード自体がコスト8であるため《“B-我”》下で2枚目の《“B-我”》を呼び出せる点が挙げられます。
《“罰怒”ブランド》も強かったんですけど、このデッキにおいてはコスト8にメリットこそあれデメリットはなく、上から踏み倒せば除去トリガーケアにもなるこのカードを絡めたプランがオプションとして強力になりそうです。
また、わざわざ2まで下げての運用に拘らずとも、5で投げて下をアンタップする動きも十分に現実的。
相互の踏み倒し作用がないため《「正義星帝」<鬼羅.Star>》との噛み合わせがいいとは決して言えませんが、小型レクスターズの戦力が充実していけば違った運用も検討できるようになっていくでしょう。現状ではもう2、3歩足りていないイメージ。
現時点ではあくまで「面白いビートダウンデッキ」の枠を超えなさそうではあるものの、将来性はかなり感じるテキストです。書いてることは真っ当に強い。
おわり
というわけで明日はSR篇の前半戦をやっていきます。思ったより書くこと多いなこれ。