もの置き

てきとうに色々書きます

【デュエマ】yk800の週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.6【19.10.23】

 どうも、レッドことyk800です。「必殺!!マキシマム・ザ・マスターパック」の発売を迎えた先週末……まだ先週末か……。あまりにも「あのデッキ」のことを考えすぎて遥か昔のように感じますね……。というわけで嵐のように殿堂環境を直撃した新デッキが話題を席巻する10月第4週、早速本編の方に移っていきましょう!


先週末の結果総まとめ

 まずは先週末(19.10.19〜19.10.20)に行われたCSの結果を見ていきましょう。
(※元となった大会結果は田園補完計画さんからお借りしています。また、情報の抜け・漏れがありますことをご了承ください)


f:id:yk800:20191023191417p:plain
f:id:yk800:20191023191430p:plain


f:id:yk800:20191023040351p:plain:w200
 

 吹き荒れる《“魔神轟怒”万軍投》旋風。

 新特殊パック、とりわけ《“魔神轟怒”万軍投》と《全能ゼンノー》が環境に齎した影響は多大というほかないものとなりました。先々週の4強のうち大部分を追い落としたのは《全能ゼンノー》。特に【ジョラゴンジョーカーズ】と【火単速攻】はこのカードへの対処手段がかなり限られており、構築レベルでの対策が求められます。
 一方で《オコ・ラッタ》の存在からあまり《全能ゼンノー》の影響を受けず、むしろ6マナでプレイする《“魔神轟怒”万軍投》が莫大なリソースを生み出す【火水自然ミッツァイル】は先週末のメタゲームにおいてその権勢を大きく強めました。
 新環境初週ということで入賞したデッキタイプも幅広く、その中で「太い」デッキである同アーキタイプが勝ち上がるのは不思議ではない話です。棒グラフで見ると極端に多く勝ち上がっているように見えますが、入賞数全体からの比率で言えば20%に満たない程度と、ベストなポジションではありますが支配的とは言い難い数字になっています。

 そして先週から引き続きの活躍だった【ジョラゴンジョーカーズ】と並び、一気に勢力を伸ばした新デッキが【火水万軍投ジョーカーズミッツァイル】! 名前だけでめちゃくちゃ長いですがそうとしか言えないデッキタイプなのでご容赦を。
 あの【火自然ジョーカーズミッツァイル】のプレイ感はそのままに、《メラメラ・ジョーカーズ》・《ザババン・ジョーカーズ》の2種8枚のコスト1ルーターを採用して3ターン目の《“魔神轟怒”万軍投》プレイをできうる限り安定化。2ターン目までにプレイしたジョーカーズと合わせて最初の《夢のジョー星》を簡単に撃つことができるようになっています。
 先攻からでもかなり現実的な確率でトリガーケアしながらの3killができるとあって土曜日のお披露目があった翌日には使用者が爆発的に増加。いちやく先週末の台風の目となりました。

 ……と、ここまでが土曜日・日曜日のメタゲーム。今回は週の中日に祝日があったということで、各地でCSが開催されました。今回は特別に昨日(19.10.22)行われたCSの結果を纏めたものをご用意しています。昨日の今日ということで情報的には不完全ですので、あくまで概形を把握するものとしてご覧ください。

f:id:yk800:20191023193141p:plain
f:id:yk800:20191023193154p:plain

f:id:yk800:20191023215922p:plain:w200
 

 流行に乗り遅れた者を嘲笑うかのように、最前線に舞い戻る【火光サンマックス】!

 たった2日。土曜日に【火水万軍投Jミッツァイル】が頭角を現してから、わずか2日での出来事です。「先週末に勝ってたから今週末は対策をしよう」ではなく、「昨日勝ってたから今日は対策をしよう」。デュエル・マスターズというゲームのメタゲーム回転スピードがそれほどまでに早まっているということが一目でわかる結果となりました。

 情報を制するものはデュエル・マスターズを制する。「メタゲーム・ウォッチングを読んでいれば環境に乗り遅れない」と言われるような記事を書きたいと常々思いつつ、極力新鮮な情報・考察をお届けしたいという思いで続けているこの企画ですが、この速度でメタが動かれるとちょっと個人ブログではどうしようもない部分がありますね……。
 そこらへんはTwitterである程度フォローしているので、宜しければ私のTwitterアカウントをフォローしていただければと思います(露骨な宣伝)。


twitter.com


今週のトピックス


f:id:yk800:20191023193953p:plain

 【火水万軍投Jミッツァイル】の特徴は何と言っても圧倒的な展開力から繰り出されるトリガー封殺込みの3kill即死打点。「3ターン目に殴って勝つ」という字面だけを見ると【火単速攻】と比較してしまいそうになりますが、デッキの目指す場所そのものはビートダウンというよりもチェインコンボに近いものがあります。既存のデッキであれば例えば【ロマノフワンショット】などが近い立ち位置ですね。

 基本となる回し方はさほど複雑でもなく、1〜2ターン目は穏やかにクリーチャーをプレイ。どうしても最速コンボを決めたい・《トムのゼリー》を引き込み盤面に出しておきたい【火単速攻】などの対面でない限りは、1ターン目・2ターン目でのルーターのプレイは極力避けるのが吉です。
 いきなりながら、3ターン目がこのデッキのクライマックスです。手札から《ザババン・ジョーカーズ》or《メラメラ・ジョーカーズ》をプレイしてディスカード、1ディスカード+「G・O・D・S」でのディスカードで合わせて4軽減され2マナになった《“魔神轟怒”万軍投》をプレイ。事前に出しておいたジョーカーズと合わせて横に並んだ4体のジョーカーズをタップし、《夢のジョー星》へと繋げます。
 あとは【火自然ジョーカーズミッツァイル】でおなじみだったアクションへ。《パッパラパーリ騎士》でひたすら火マナを生み出しつつ《ミッツァイル》→《ジョー星》→《ミッツァイル》→《ジョー星》……マナもバトルゾーンも潤沢になったら最終的に《ジョジョジョ・マキシマム》や《ジョー星》で稼いだ呪文カウントを使って《次元の嵐 スコーラー》を投下し、トリガーをケアしつつシールドを割り切ってゲームに勝利します。

 《メカーネン》・《ゴッド・ガヨンダム》に加え、余ったマナから各種ルーターを唱えることもできるなど、猛烈な勢いで山札を掘り進めることができるために一度動き出すと勝ち筋に繋がらないで負ける事故が発生しづらく、3ターンkillの発生する極めてレンジの短いデッキであるにも関わらず、それこそ【ロマノフワンショット】と同じく「動き出させたらほぼ確実に負け」という厄介極まりない性質をしています。


 このデッキに打ち勝つもっともわかりやすい手段はただ一つ、「動き出させないこと」のみ。「デッキ全部を使って勝つ」デッキであるため幸いにして自由枠・採用できるカードの幅のどちらも広いとは言えず、速いタイミングでの妨害に対しては脆いデッキです。ですが後手でも間に合うように、と考えれば実質的に許されているターンは2ターン目の妨害のみ。この例を当てはめて対策を考えていましょう。

 1つはメタクリーチャー。特に俗に言う「ミクセルプーンギ」はこのデッキにとって非常に重く突き刺さるカードです。GRゾーンのおよそ半数はコスト4以上であるため《奇石 ミクセル》が着地すると3ターン目の《万軍投》プレイが困難になりますし、《音奏 プーンギ》はルーターのコストを引き上げることによって《万軍投》の軽減用途を潰し、4ターン目終了時までの《万軍投》プレイをほぼ確実に封じることができます。さらに《オーリリア》まで着地してしまえば、ルーターと《ジョー星》のプレイを永続的に封殺してしまうため、もはやデッキを回すことすら難しく。

 火曜日に突如として環境トップに舞い戻った【火光t自然サンマックス】はこれらのカードをうまく使えるデッキの筆頭として、環境変化へのセンスに長けたプレイヤーの幾人かに選択されたのだと考えられます。

 2つはハンデス。基本的にこのコンボは手札からしか動き出すことができず、「《万軍投》3tプレイ用のコンボを抱えつつその次の《ジョー星》も、できれば《ミッツァイル》も抱えておきたいし……」とハンドに温存しておきたいカードは山とあります。そこに突き刺さるのがハンデス、と言うわけです。
 相手の速度を緩めて時間を稼げば、さらに強烈な妨害手段である《「本日のラッキーナンバー!」》や《ファイナル・ストップ》までの時間も稼げるというもの。実際に【闇水光ハンデス】での入賞例も火曜日には複数見られました。

 3つは初動の除去。いくら3ターン目に《万軍投》をプレイしようと、横にもう1体のクリーチャーが立っていなければ《ジョー星》にも《ミッツァイル》にも繋がりません。2ターン目のアクションである《花美師ハナコ》や《スッポンジトム》を除去して盤面を空にすることができれば確実に1ターンの隙を作ることができます。
 ただしこのプランは作れる隙がさほど大きくないので、他の妨害手段と組み合わせるか、その直後で即座に勝ちを狙いにいける【万軍投Jミッツァイル】同型や【火単速攻】でのみ狙えるプランであると考えられます。

 もちろん【万軍投Jミッツァイル】側に対策への対策が用意されていないわけがありません。「火のジョーカーズ」というこのデッキに必要不可欠な要件を満たしつつメタクリーチャーを対処することのできる《フンバルさん/フンバ・フライ・ダイ》や、水文明が使えることを活かしてコンボパーツ収集に役立ちつつもハンデスに対して強く出られるようになる《海底鬼面城》は当然のように検討・搭載されています。


 メタゲームを強襲する超速度の《“魔神轟怒”万軍投》と、それに対抗するべく現れた古強者たち。vol.5で述べた、強固に見えたはずの枠組みはとうに破壊され、凄まじい速度で新たな枠組みが構築されはじめています。

 汎用性に富むGRクリーチャーの充実がもたらす恩恵は非常に大きく、超天篇第3弾以降、このゲームにおいてはほとんど全てのデッキが等しく強化されたと言っても過言ではなくなりました。何が起こっても不思議じゃない、何が勝っても不思議じゃないのが現代のデュエル・マスターズ。きっと未だ発見されていない「実は超強化されていた過去のアーキタイプ」は少なくない数眠っているはずです。
 新しいデッキを見たとき「なんやねんこのクソデッキ!」と唾棄するのではなく、すぐにコピーし、自分の手で回して、強みと弱みを分析し、カウンターデッキを組み上げる。今のデュエル・マスターズは、その楽しみを味わうのに最高のフィールドになっていると筆者は感じます。

 今のデュエル・マスターズ、超面白いですよ。

HOT TECH

《“魔神轟怒”万軍投》

f:id:yk800:20191023211304p:plain:w200
 

 流石にこのカードを措いて他に「今週のカード」をピックアップすることはできないでしょう。新環境の堂々たる王者、それが《“魔神轟怒”万軍投》です。

 高打点スピードアタッカーの隆盛、特に《ガイアール・カイザー》がビートダウンデッキを新たな次元へと押し上げた「エピソード1 ファースト・コンタクト」以降のデュエル・マスターズでは、定期的に嘯かれる言があります。
 曰く、「火文明を使わないデッキはデュエル・マスターズにあらず」と。
 対処困難な打点を次々と繰り出し躍り掛かるその波状攻撃は正に火文明の特権と言えるでしょう。
 【火自然闇M・ロマノフ】の時代に。《勝利宣言 鬼丸「覇」》擁する【獰猛ブラスター】の時代に。【火自然闇グレンモルト】の時代に。【モルトNEXT】の時代に。【ドギラゴン剣】の時代に。【“轟轟轟”ブランド】の時代に。
 例外は少なからずあれど、デュエル・マスターズのメタゲーム変遷の歴史は、火文明を扱うビートダウンとそれに対抗するデッキの歴史でもあるとさえ言えます。

 《BAKUOOON・ミッツァイル》は、そして《“魔神轟怒”万軍投》は、これらの歴史に並び立つにふさわしいカードです。

 《“魔神轟怒”万軍投》の本質を構成するのはただのシンプルな1文。「GR召喚を3回する。」
 この記事を読んでいるくらい現代デュエル・マスターズを追っている人であれば、この1文がどれほどのパワーを持っているか容易に想像がつくかと思います。というかもう体感してると思います。

 単体のパワーも凄まじいのは間違いないですが、このカードを《BAKUOOON・ミッツァイル》と切り離して考えることはもはやできません。今のデュエル・マスターズにおいては横に並ぶ=《ミッツァイル》が出る、なのですから。

 6マナというコストも絶妙です。伝統的な2→4→6のマナベースの頂点としてディスカードなしで使うことで「マナドライブ6」サイクルの恩恵を最大限に受けることができますし、逆にこのルートで繋ぎつつも多色タップインを処理しながら火マナを1枚残しつつG・O・D・Sで使うことによって《BAKUOOON・ミッツァイル》をそのターン中に走らせるプランも視野に入ります。
 それでいて《龍装艦チェンジザ》はじめ多くのサポートを受けることができるラインであるコスト5を外しているのがニクいところです。
 余談ですが《チェンジザ》との相性は悪いどころかむしろ良く、先に《チェンジザ》が着地しているとG・O・D・Sでディスカードした呪文を使うことができます。

 基本的には手札消費をカバーできる水文明との組み合わせが主流になるでしょうが、他の文明との組み合わせが悪いわけでは決してありません。個人的には《天雷の導士アヴァラルド公》でのリソース回収を重く見た【光火ミッツァイル】のような形式のデッキは成立するかもしれないと感じましたね。


 素早く3体を送り出して打点として、マナカーブの頂点に置いてマナドライブを介したリソース拡充手段として。

 超GRゾーンの無限の可能性を存分に味わえるこのカードは、超天篇終了まで(あるいはその後までも)決して目を離せない存在感を放ち続けるでしょう。
 

今週末のメタゲーム予想

 現在の流行っぷりを見る限り、多少メタったデッキが増えたところで【火水万軍投Jミッツァイル】の母数自体が大幅に減るとは考えづらいというのが筆者の見解です。
 火曜日の段階では、ひとまずのところは【光火t自然サンマックス】がカウンターデッキの筆頭として登場しましたが、率直に言って開発期間が足りていなかったがゆえに出力が確約されている既存構築を持ってきたのではないか、という部分は否めません。似通った特性を持った別なデッキが新たに開発される可能性も非常に高いと言えるでしょう。

 メタゲームとしては非常にテンプレートに、「先週のベストデッキである【火水万軍投Jミッツァイル】vs.対策を講じるデッキ」という構図になるのではないかと思います。【火水万軍投Jミッツァイル】は非常に強力ですが、決して問答無用のベストデッキではありませんし、対抗のできないデッキではありません。競技シーンで活動するプレイヤーではない方もぜひ、「このデッキをどうやって打ち崩すか?」ということを考えてみてはいかがでしょうか。

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それではみなさま、良い週末を!