Master of Revolution -innovation orders- #1 | Peatix
行ってきたよ〜、ということでね。まちカドまぞくの複製原画展に行く週末、どうせだし土曜日もなんか遊べるとこないかなと探してたらうっかり面白そうなイベントが流れてきたので即決でチケ予約。
「ヤソとけんちゃんが来る」以上の情報を一切仕入れないまま池袋へ直行しました。
結論から言えばめちゃくちゃ楽しかったです。
そもそもどういうイベントだったの?
詳細は上記リンクを確認してもらうとして、ざっくりと説明すれば、「食べ物・飲み物をつまみながら、未発売セットのカードを使ったMtGプロの対戦を見て盛り上がろう!」という趣旨のイベントでした。
観戦の楽しみ方のひとつとして独自のポイントを賭けて勝敗予想して、最終持ち点が多かった人・キリ番踏んだ人にちょっとした賞品配布、というようなサイドイベントも行われていました。
「そんなんで楽しいの?」って思われるかもしれないんですけど、これがめちゃくちゃ楽しいんですよ。
というのも、単なる観戦と違って、今回のイベントで参加者に与えられているのは「食べ物も飲み物もあって、マジックが好きな人が集まっていて、プロの対戦が配信されている」空間、場そのもの。
「プロ同士のハイレベルなやりとりを観戦する」という基本的な楽しみ方はもちろん、プロモニタを眺めつつマジック仲間と新セット談義にふけるもよし、きさくに周りの人に話しかけて友達の輪を広げるもよし。
このイベントで僕が優れていると思った点は、楽しみ方が参加者に委ねられている点です。
賭けについても、積極的に促されているとはいえ、あくまでも「観戦が主目的でない人にも、そういうモチベーションの上げ方を提供しますよ」という範疇に留めているのかな、というふうに見受けられました。
あまり人気があるとはいえない「観戦」をイベントとして成立させるにはどうすればいいか? という問いに対し、主催であるチアード様は「対戦自体をメインコンテンツとするのではなく、『トッププロを生で見られる』『リリース前のカードの使われ方を検討できる』『同好の士との交友を深める』と言った個々人の楽しみを満たすための空間・場そのものをメインコンテンツとする」という形でアンサーを出してきたのだと、僕はそう受け取りました。
よかった点・楽しかった点
では具体的なお話をば。まず、
・競技プレイヤーでなければなかなかお目にかかれないトッププロを生で見れた。
正直なところ、今回僕が参加したのはこれが主目的でした。
いや凄かったですよ。めちゃくちゃ距離が近いの。
まず入ってスクリーンがドーンとあって、「凄いなー」と思ってキョロキョロあたりを見回してたら、もういるんですよヤソが。後ろの方のソファーに、どっかり座って。
僕めちゃくちゃミーハーなんで、それだけでもう元取ったぐらいの満足感ありましたね。
一応勇気を出して話しかけに行けばちょっとお返事がもらえるくらいの隙もあったみたいですし(僕はそういう時行けないタイプのオタクなので行けなかったです)、相当に貴重な機会だったのではないかと思います。
めっちゃ個人的な話なんですけどたまたまトイレ行ったら同じタイミングで八十岡選手と行弘選手も入ってて並んで立ちションベンするという一生ない機会に恵まれました。ありがとうございました(?)。
・未発売セットのカードが実際にどのようなデッキで活躍するか勉強できた。
リストを見るだけではなかなかわからない学びが、プロによる実戦という形式で得られるのはやはり面白い。新弾のカードを使っているということでゲーム的な目新しさもありますし、今回はMtGアリーナというプラットフォームのもと行われたため数々の美麗なエフェクトを先行して見られたのも嬉しかったです。
・アショクのマウント力が異様に高い
・エルズペス、死に打ち勝つは見た目通り強い
・ウーロは思っていたよりも脱出コストの支払い、マナ拘束の強さが重くのしかかり、窮屈そう
・呪禁オーラは成長の季節を引ければコントロールに対してもほぼ負けない⇄コントロールは軽量エンチャントに触る手段が必要になる
・タッサのブリンクを活用してアドバンテージを伸ばすシミック系のデッキはシンプルに強そう
などなど、新環境をイメージできる様々な学びが得られました。ここで得た知識を次の観戦を楽しむための材料に使えますし、アリーナで実際にカードを触るのが楽しみにもなりましたね。なのでウィザーズさんmac版アリーナお願いしますよ。今冬中って言ってたの忘れてませんからね。
・入場料が実質無料の3オーダー制だった。
安い! ほんとにこんなんでいいのと思うくらい安かったです。
実際イベント開始からずっと見てると3オーダーじゃ効かなくなってもうちょい出ちゃうんですが、それを加味しても相当なお値打ちだったと思います。
特に、3オーダーを単なる注文ではなくチップという形にしたのは非常に冴えたやり方であったと思います。
どこまで検討したうえでチップ形式を採用したのかは不明ですが、
・入場料というていでありながら、払おうと思えばいくらでも追加で払える
・ブーストしたお金がそのまま主催のポケットに入るのではなく、フード・ドリンクというリターンがあるので頼みやすい
・挑戦者・モンスターへの投げ銭という形での投資もしやすい
・フードもドリンクも一律チップ1枚であり、チップを集計するだけでいいので売り上げの計算が楽
・フードは500円相応に感じたが、ドリンクは500円としては物足りない内容だった。フードは結構味付け濃い目でドリンクとセットで注文されることが多いうえ、観戦していると必然的にドリンクばかりが減っていくのでドリンクのほうが割高であっても数が捌けるため、ゲストに与える違和感を最小限にしながら利益を出せる
・上記に付随し、一度受付でチップを買ってしまえば以降は値段を意識しづらく、抵抗感が薄い
などなど、日に影に様々な利点があるように感じました。
特に後ろ2つの利点は(実際にそのような意図があったかは別として)気付いた瞬間に舌を巻きましたね。概要を見たときは「実質入場料無料って、ハコ代も馬鹿にならないだろうし、このイベント形式でどうやって利益出して継続的にやっていくんだろう」と思っていたので、このような形で利益の出し方が見えたことにはちょっと安心した気持ちもありました。今後とも開催される可能性が高そうですからね。
参加者としてもメリットが大きいですしこのようなイベントの形式がスタンダードになってくれれば嬉しいですね。
あまり良くなかった点
・デッキ次第でダレる
こればっかりはしゃあないんですが、どうしても配信向きじゃないデッキというのもあるわけで。特にエキシビジョン2つがどちらもシミックランプ系のミラーマッチだったのは結構厳しかったかなと思います。
やっぱりお互いに盤面が硬直しちゃって、動きの少ない展開になりがちなのでダレますよね。1ゲームで30分とかってなると集中して見るのはやっぱ難しいですし、プレイが介入する余地もあまりなく上から降ってくるカードを見続けるだけの展開になっちゃいます。言い方は悪いですが眠くもなる。お互い仕方ない。
事前にプレイヤーに「配信映えしそうなやつを」とお願いするのも一つの選択肢ではあるのかなと思いましたが、それはそれであまり楽しくないものになる可能性もありますし、当日一番の盛り上がりを見せたのはエキシビジョンマッチ最終戦の終末の祟りの先陣×2叩きつけフィニッシュだったので、結果を見ると一概にこうしたほうがいいとも言えないのがもどかしいところです。
選出の段階である程度映えを意識してくれそうな人を選ぶ、とかなのかなあ……。分からん。
ただ一つ自信を持って言えるのは、「浅原晃はすごい」ということですね。
・来場者が結構がっしりグループ化していたのでぼっちだとちょいつらい
僕は結構知り合いの方がいらっしゃいましたしぼっち耐性高いので耐えたんですが、人によっては辛いだろうなと。
イベントの特性なので仕方ないといえば仕方ない部分ではあると思うんですが、ここに何かしらのアンサーが飛んでくれば無敵だなと思ったので挙げました。思いつかなくて無理やり捻り出しただけとも言う。
観戦って別にそもそも複数人でないと楽しめないものではないですし、ふらっと立ち寄ってふらっと楽しめる、みたいな、そういう楽しみ方のための施策が一つあるとキュッと締まりそうな印象を受けました。具体的な案は特に思いつかない……。
うーん、でも来場者側も探り探りだったんでとりあえずハズさないために友達と来た、って側面も結構ありそうですし、観戦文化がさらに広まれば自動的に解決しそうな問題でもあるんですよね……。分からん。
まとめ
まあそんなこんなでめっちゃ楽しかったので#2が待ち遠しいですね、という感じで。
とにもかくにも、観戦という文化の土壌が出来上がることであらゆる問題が自動的に解決していきそうだと感じたので、僕はひたすらフォロワーにオススメし続ける作業に入るかな……と思ってます。
プレイするだけしか楽しみ方のない文化って絶対にそのうち限界が来てしまうと思うので、ひとりのカードゲームオタクとして、こういった取り組みにはエールを送り続けていきたいですね。
Master of Revolution、超面白かったよ。