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【デュエマ】めくり特化型チェイングラスパー【デッキ紹介】

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「Bonnes! Bonnes!! Vacances!!!」

フェアリー・ギフト x 1枚
桜風妖精ステップル x 4枚
霞み妖精ジャスミン x 4枚
ガチンコ・ルーレット x 1枚
霊騎ラグマール x 2枚
掘師の銀 x 2枚
幻影 ミスキュー x 4枚
剛撃古龍テラネスク x 3枚
革命目 ギョギョウ x 2枚
グレート・グラスパー x 4枚
連鎖類覇王目 ティラノヴェノム  x 3枚
偽りの名 ゾルゲ x 2枚
連鎖類超連鎖目 チェインレックス x 4枚
古代楽園モアイランド x 4枚


 ほとんど真面目にデュエマやったことなかったので、VaultでHOT DECK/TOUGH DECKに載ったのが嬉しすぎてイキって記事にしちゃったりする。詳細は続きから。



 唐突だが、現在のデュエル・マスターズにおいてもっともインフレが進んでいるのはなんだろうか。キルターン? 否。軽量メタクリ? それも否。僕は、この問いに対して「S・トリガー」であると答えたい。ドラゴンズ・サインを踏めばロージアが舞い降りて返しに殺され、ダイスベガスを踏めば攻め手は立ち往生せざるを得ず、SST覇悪怒楽苦からはモーツァルトが飛び出してきて戦場を蹂躙する……。こんな環境において愚直に盾を殴るだけのデッキが勝てるだろうか? ああ、そんなわけはない。
 現代のデュエル・マスターズを生き延びる上でまず最初に考えなければならないのは、「いかにして相手のトリガーを無視して殺すか?」である。あれだけ話題を攫ったジョーカーズは、鳴り物入りで環境入りしたビートジョッキーは、一瞬だけ流行の兆しを見せた後にすぐにその数を減らした。もちろんキルターンは申し分ない。受け札だって一流のものが揃っている。にも関わらず、一瞬の輝きだけを残して消えてしまったのはなぜか? それはひとえに「どちらのデッキも有力なトリガーケア手段を持たないから」だろうと僕は考えている。警戒が薄くなった瞬間は輝くが、しっかり意識され、トリガーを多めに採用されてしまうと一瞬でその勢力は弱まってしまうのだ。


 さて、ここにひとつのデッキがある。原型となったのは今まさにvault大会で流行中のチェイングラスパー。超速度のビートダウンと青黒ハンデスに対しては不利だが、NEXT相手には理不尽比べに持ち込むこと、あとは気持ち程度だがコクーン・マニューバで相手にトリガーケアの時間を作らせることでほぼ対等。盾で受けてカウンターを狙ってくるデッキに対しては明確に有利を取ることができるデッキタイプ。踏み倒し主軸のデッキながらラグマールを何度も使い回すことができるためオニカマスにも一定の耐性があり(カマスがキツくないとは言ってない)、メインの勝ち筋がファンパイループによるライブラリアウト戦術なので相手の盾を気にせずに勝つことができるのが強みだ。間違いなく、現代のデュエル・マスターズを渡っていく資格を持ったデッキである。

 しかし、僕の構築ではファンパイループを勝ち筋として採用していない。なぜなら、ファンパイループに持ち込むためには最低でもグラスパー2枚とチェインレックスが2枚必要になるため、それなりの速度でのコンボ成立が安定しないからだ。また、相手が悠久をデッキに入れていた場合、オール・オーバー・ザ・ワールドを作るかグラスパーの群れで殴らないと勝てないので、せっかくの「盾を無視できる」という強みが消えてしまう。これはとても悲しいことだ。

 そこで僕が提案するのが、《古代楽園モアイランド》+《偽りの名 ゾルゲ》の2枚を利用したシールド蒸発コンボをメインの勝ち筋とする本構築である。

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 原理は簡単。バトルゾーンにチェインレックスがいる状態でどうにかしてモアイランドを出せば、マナからゾルゲと適当な6コスクリーチャーを踏み倒し、ゾルゲの能力でモアイランドに突撃させて相手のシールド6枚をマナに吹っ飛ばせる、という寸法だ。モアイを確実にめくるためにグラスパーの無限攻撃ループを活用するのはこのデッキでも同じなのだが、この記事は既存のサソリスファンパイ型との差別点を主眼に置いているので、今日のところはループの詳細を省く。


 では、改めてチェイングラスパーにゾルゲモアイを入れる利点を述べていきたいと思う。


⒈ミスキューでモアイをめくると雑に強い!!!
 普通にやっても4ターン、ギフトも絡めれば最速3ターン目には18000・QB・呪文及びD2フィールドロックという凄まじい化け物が着地する可能性がある。ハンデス対面でトップミスキューからモアイをめくれば、相手は《学校男》以外の回答が存在しない。デッキに彼が入っていなければそのままゲームセットだ。他にも、
・最近流行の兆しを見せている青緑系モアイランプ
・展開と受けのほとんどを呪文に依存しており、モアイを踏み越えられないロージアダンテ
・序盤に加速を引けずマナを伸ばしきれていないモルトNEXT
などなど、最速でモアイが着地すればそのまま勝ててしまう場面が少なからず存在する。
 また、相手がげんなりするという精神的副次効果もあるがそれは数に入れないでおこう。


⒉相方であるゾルゲも強い!!!
 自身のcipで7500火力。グラスパーが出たら1体マナ送り+13500火力。パンチしてチェインティラノミスキューミスキュー、めくれたカードも含めすべて火力に変換……。盤面を潰されると勝てないメタリカやサザン、ベイBジャックを主軸としたデッキ等に対して、ゾルゲは無類の制圧力を発揮するのである。特にギョギョウと並び立った時の制圧力たるや、筆舌に尽くしがたいものがある。最速でコンボ成立を狙う構築だからといって常に最善の動きができるわけではなく、常に必要なカードだけを引くわけではない。このカードはコンボパーツでありながら、コンボ成立までの時間を稼ぐカードとしても極めて有用なのだ。
 あと、チェイン→ゾルゲ→ミスキュー→ラグマールと繫いでゾルゲのバトルを上手く駆使することで取り巻きを破壊しながらラグマールでオニカマスを狙い撃ち、そのあとにミスキューを解決することで大型を場に残すこともできる。墓地退化や青赤レッドゾーンなどとの対面では非常に重要なテクニックで覚えておくと便利だ。


⒊勝つまでが運次第で超早くなる!!!
2t:ステップルorジャスミン
3t:ラグマ系orガレットor2コスブースト
4t:ミスキューチェイングラスパーミスキューモアイ ←この時点でマナにゾルゲがあれば勝ち。

 普通のチェイングラスパーループもこのぐらいの速度で勝負を決められる可能性はなきにしもあらずだが、マナに必要なグラスパーとチェインの枚数、ライフプランやコクーン・マニューバといった「めくって強くない」カードが一定数入っている以上、その成功率には格段の差があると言って問題はないだろう。何せこちらはマナにゾルゲが1枚あればいいのである。
 もちろん、ここまでうまくいくことはほとんどない。しかし、あらゆる方向からミスキューを飛ばせるような構築にした結果、4ターン目に「チェイン+ティラノ+ギョギョウ」「ティラノ*2+チェイン+モアイ」のような盤面が出来上がることは決して珍しくないのだ。
 このような理不尽の押し付けで相手をねじ伏せる展開を期待できることが、ミスキューをメインコンセプトに据え、ひたすらに「めくり力」を高めた構築に寄せる最大の利点であると思っている。


⒋トップが超強い!!!
 主にハンデス対面での話になる。いくら手札を枯らされようと10マナまで伸ばしてトップからモアイを引けば相手の展開は大幅に鈍る。何せハンデスやドローソースは愚か、超次元呪文さえ使えないのだ。そうやってティラノヴェノムからミスキューを飛ばしたり、普通にグラスパーやチェインを引いたりするまでの時間を稼いで、ゆっくりとコンボの準備を整えることができる。相手の受け札はブサ以外呪文しかないので、学校男をケアできるなら悠々と殴り勝ってしまうことも可能だ。
 そうでなくとも呪文を封殺するパワー18000のQ・ブレイカーが盤面に与えるインパクトは多大であり、十分に今引きして嬉しい「強いカード」だ。
 マナさえあればトップから引いて即座に強いカードが4枚も増える、というのもモアイを採用する理由のひとつである。


⒌メインの勝ち筋がオニカマスに妨害されない!!!
 こちらの場にチェイン、相手の場にカマスがいる状態でミスキューからモアイが出てくる。マナからゾルゲが出る。6コスクリーチャーが出る。アクティブプレイヤーはこちらなのでオニカマスの処理よりも先にこちらのcipが解決される。すぐさまミスキューとゾルゲをモアイに突撃させれば、カマスが解決されてモアイが手札に帰ってくる頃には、相手のシールドはすべてマナプールの奥底だ。
 サソリスファンパイではこうはいかない。攻撃を介したループなので1回の手順ごとにオニカマス解決の隙が発生し、ループは必ず瓦解してしまう。コンボパーツが揃っていたとしても、一度オニカマスをどうにかして除去しなければループに入ることができないのだ。もちろんチェイングラスパーはそれが可能なデッキである。1ターンも待てばすぐにループに入るだろうし、マナが潤沢であればそのラグさえないかもしれない。しかし、「除去せずとも勝てる」と「除去しないといけないが除去した上で勝てる」の両者には天と地ほどの差がある。シールドを吹っ飛ばしさえすれば相手がこちらに対してできることは革命ゼロトリガーかダイスベガススイッチくらいしか存在しないのだ。
 LOほどではないにせよ勝ち筋としての強度は非常に高い。その上でオニカマスを無視できるというのだから、僕がこちらを使いたいと思うのも自然なことだろう。



 以上が、僕の考えるゾルゲモアイ型チェイングラスパーの利点である。

 実のところグラスパーとモアイの情報が出揃った時期からずっとゾルゲモアイ型の構築を練っていたので、サソリスファンパイ型の強みをいまいち正確に理解できていないのがネックだ。直接対決ではめくり力の強さで何度か勝利しているが(そもそもこのデッキ相手にはトリガーが機能しないので相手のコクーン・マニューバを丸々死に札にさせているという部分は少なからずある。「相手の受け札をすべて無駄牌にさせる」というコンセプトで組んでいるのでまあ間違いではないのだが)、ミラーは不毛なので他のデッキタイプとのマッチアップを確かめなければ意味がない。

 しかし、このデッキの主な仮想敵は
・受けを厚く取っているカウンターを主軸としたデッキ
・速度勝負が成立するモルネクのような中速ビートダウン
であり、ビートジョッキーやジョーカーズといった超高速ビートダウンデッキは想定のうちに入れていない。そんなデッキが流行っている環境ではチェイングラスパーなんか使わずに、おとなしく受けの厚いデッキを使うべきだと思う。

 仮想敵の中で特にコクーン・マニューバを投入するメリットがあるのはモルネク対面であるが、マニューバ4枚積むぐらいでモルネク相手の相性が劇的に改善するかと言われると少々懐疑的であり、また現状でもめくり力によって対等に渡り合えているので(本当に参考程度にしかならないが、今数えたところ9戦して5勝4敗だった。正直どっちが引き運・めくり運がいいかの勝負である点は否めない)さほど必要性はないと感じている。それならばミスキューでめくって強いカードを入れたほうがいいのは道理ではないだろうか。これが現在このデッキにコクーン・マニューバを採用していない理由である。
 ちなみにマニューバを2枚か1枚ほど採用するのはない選択肢ではないと思っていて、マナに埋めて相手に見せるだけで勝手に警戒してくれるのでその後のプレイが少し楽になる可能性がある。トリガー覚悟で突っ込まれたら割り切りだが。

 サソリスファンパイ型も自分で使って使用感を比べてみたいところではあるが……僕、ループデッキ使うの苦手なんだよなあ。うーむ。誰かこのデッキとサソリスファンパイ型を使い比べてくれる人がいればいいのだが。
 そんな淡い望みを託して今回は筆を置くことにする。まるで往年のキューブブラスターが無限踏み倒しループとワンショットコンボを手に入れたような使用感のデッキで、めくりによる理不尽さも兼ね備えながら、マナ→場・場→マナへの豊富な変換やテラネスクのようなカードの存在によって見た目以上に器用に立ち回ることも可能なデッキに仕上がっている。めくりに抵抗がない方はぜひ一度デッキを回してみて、この快感を味わってみてほしい。