もの置き

てきとうに色々書きます

レッドログNo.15(20/03/25)

 もう3月も25日ってマジ?

ラノベ

ギャルゴ!!!!! 地方都市伝説大全(MF文庫J比嘉智康)全6巻・完結済

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 オススメのラノベ紹介するコーナーになってない? まあいいか。

 個人的に尊敬しているラノベ書きの一人である比嘉智康先生のデビュー作。たぶん僕のオタク人生の中でラノベ年表を書いたら、この作品と出会った中学1年のところが太字色付きラノベの表紙カットありみたいな感じで紹介されるであろう、ターニングポイント的な存在。

 デビュー作なのでプロットは荒く、クセがある文章表現など、決して優等生は言えないが、独特な「風味」あるキャラクター造形、勢いのあるバトルシーンの描写、ヒキの秀逸さなど随所で「こいつただもんじゃねえな!」と感じさせる面白さがある、奇作ともいうべき1作で、広くは知られていないものの僕のようにコアなファンが多い印象。
 1巻読んで「ふ〜ん、こんなもんか」と思ってると2巻、3巻と読み進めるうちに作風の二転三転に驚かされること請け合い。かなり実験的な要素が多い意欲作でもあるので、戸惑いはするかもしれないけど、全体としての勢いや空気感は決してチグハグではないところがすごい。

 ぶっちゃけ、SFや推理小説じみた、完璧に整合性の取れたストーリーライン・タイムラインを求める人間には向いていない作品ではある。エピソードはぶつ切れだし、前後関係がよくわからなくなることも少なくない。それでも「面白い!」って言い切れるのがすごいよね。それだけ作者の腕がいいからだろうとしか言えないので。

 個人的には5巻以降に頭角を現す「とある」キャラクターの描写が凄絶で好き。マジでここ読むためだけに1巻から最後まで読む価値あるんじゃないかと思うぐらい、ヤバイ。存在自体がネタバレの類なので詳細は伏せるけどサイコ系のキャラであるということだけは明記しておきます。みんなも読んで確かめよう!
 というか比嘉智康先生、クレイジーサイコ野郎を書かせると最強なんだよな。

 次作である「神明解ろーどぐらす」も人気作で5巻まで出たが、それ以降はやや低迷気味の比嘉智康先生。面白いんだけどなあ……。売れなければ本は出ない。エンタメの世界はげにまっこと恐ろしいもんちや。