もの置き

てきとうに色々書きます

【デュエマ】yk800の週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.13【19.12.12】

 どうも、レッドことyk800です。まずは記事が遅れました事お詫び申し上げます。本当にすみませんでした!

 私用で12月7日から12月11日までの5日間関東の方に出かけており、出先ではなかなか記事を書く時間も取れずあえなく一日遅れという形となってしまいました。無念。

 また、これは遅れた事とは関係なくですが、今週は内容をやや縮小版にしてお送りいたします。全国各地でエリア予選が開催された煽りか、とにかくCSそのものの母数が少なく、信頼できるほどのサンプル数を確保できなかったこと、目新しいリストも確認しづらかったことが直接的な理由となります。

 というわけで遅延×内容薄の二重苦ですがやれることはやっていきましょう。メタゲーム・ウォッチングスタートです!

先週末の結果総まとめ

 まずは先週末(19.12.7〜19.12.8)に行われたCSの結果を見ていきましょう。
(※元となった大会結果は田園補完計画さんからお借りしています。また、情報の抜け・漏れがある可能性がございますことをご了承ください)


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 メタゲームの大海原を悠然と航す【カリヤドネ】。

 そもそもの母数が非常に少ないため今回の値は参考値であるという前提はありますが、それを考慮に入れたとて無視できる数字でないことは確かです。当企画で言えばvol.3から実に9週間もの長きにわたってトップの座に居座り続けた【火水自然ミッツァイル】がついに玉座を明け渡したのですから!

 もっとも、その代わりに1位の座に着いたのが【火水自然ミッツァイル】の天敵とも言える【カリヤドネ】とあっては、それも無理のないことでしょう。前週は抑圧され気味だったためにマークが下がったところを突き刺した……のかはよくわかりませんが、少なくとも先週末、このアーキタイプが最も活躍したことは事実です。
 その下に続くデッキが【火光ビートダウン】、【火単速攻】といった【カリヤドネ】に対して戦いやすいデッキであることからも【カリヤドネ】が強く意識されたフィールドであったことが伺えます。

 【墓地ソース】は幅広い対面に刺さりやすい「必殺技」である《暴走龍 5000GT》を有していることに加え、対【カリヤドネ】を見ても、《ブラッディ・クロス》がこちらのアドバンテージに繋がるため雑な加速札として運用されづらく、また《龍装者 バルチュリス》が絡むゲームは複雑になります。【カリヤドネ】側には《バルチュリス》を止める手段が原則として《知識と流転と時空の決断》からのブロッカー(or《全能ゼンノー》)登場しか存在しないため、《百万超邪 クロスファイア》+《5000GT》+《バルチュリス》のジャストキルパッケージを組まれると最初の《クロスファイア》2点でトリガーを踏んでもらわない限り高確率でキルが通ってしまいますし、《知識と流転と時空の決断》をバウンス+GRのモードで撃つことが許されなくなる《GT》2体を達成されれば同条件でほぼ詰みです。速度の面ではやや劣っているので明確に相性がいいとは言えませんが、チャンスそのものはかなり存在するマッチアップであると言えるでしょう。

 圧倒的な力強さを誇るコンボデッキである【カリヤドネ】を中心に再構成された新たなメタゲームの秩序。果たして今週末にもこの権勢は維持されるのでしょうか。


HOT TECH

《スーパー・デーモン・ハンド》


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 呪文でさえあればあらゆるカードが採用圏内となる【カリヤドネ】。長らくほとんどの入賞構築がGP9thの40枚コピーリストである時期が続きましたが、ここに来て構築に多様さが現れはじめました。そのバリエーションのうちの一つが、《スーパー・デーモン・ハンド》です。
 見慣れないカードかもしれませんが、そのテキストは非常にシンプル。要するに「大量に墓地を肥やせる《デーモン・ハンド》」というだけです。

 【カリヤドネ】の負けパターンとして少なくないのが「早いタイミングでワンショットを仕掛けられ、トリガーでターンをもらったはいいものの、墓地の数が足りなくて返しにコンボを決めきれない。かといって盤面を全て処理し切れるわけでもないので、そのまま次のターンに押し切られて負け」というもの。4ターン目ならともかく3ターン目の致死打点までに10枚近くの墓地肥やしを間に合わせるのは実際非常に難しく、仮に間に合ったとしても墓地の質が低すぎて勝ちにまでたどり着けない場合も頻繁に存在します。
 そこで注目を集めているのが《スーパー・デーモン・ハンド》。打点を削ぎながらの大量墓地肥やしによってカウンター性能は一気に高まり、対面次第では「このカードが埋まっていれば勝ち」と言えるほどのスイングを発生させます。近年の速攻デッキは《“罰怒”ブランド》や《BAKUOOON・ミッツァイル》を採用しているのでコスト依存の墓地肥やしであっても枚数が不足することはあまりありませんし、そもそもコスト4ぐらいのクリーチャーを落として合計5枚も墓地を肥やせば十分間に合うことがほとんどです。
 《ポクタマたま》などの墓地リセットを絡めて油断し切った相手に対して踏ませ、一気に墓地を作り直して勝ちを狙える場合も存在します。

 加えてコストが6というのも強いですね。現環境のデッキの大部分はトリガーケアを《「本日のラッキーナンバー!」》に依存しています。基本的に3、4が優先して宣言される【カリヤドネ】に対して6が宣言されることはほぼありませんし、仮に相手がこのカードを意識していたとしても「本当に入っているかどうかわからない」カードを警戒して6宣言をするのは非常にリスキーです。そもそも6を宣言されてこのカードが止まったところで【カリヤドネ】のメインアクションには一切影響がありませんから、状況次第ではむしろ宣言してほしくすらあります。
 そしてコストが5以下ではないため、絶妙に《正義の煌き オーリリア》の呪文封殺能力をすり抜けて《オーリリア》を処理することができます。先述の通り大抵の場合において「4コスを除去できれば墓地肥やしは間に合う」のでその点も含めて非常に「美味しい」取り方の出来るカードです。

 総じて本来極めて苦手な対面であるいくつかのデッキに対してピンポイントで非常に有効に働く、「不可能が可能になる」カードであるといえます。

 一方で、当然のことながら手撃ちでの使用は絶望的であるため、盾に埋まっていなければ一切仕事をしないにも関わらず、3枚、4枚と採用することは難しいというのが実情。実際に入賞デッキにおいても2枚程度の採用が目立ち、「埋まればラッキー」のお守り程度として運用されていることが窺えます。
 また、結局のところ単体しか除去できないカードであるため、肝心の防御トリガーとしての性能はやや低め。あくまで《知識と流転と時空の決断》など、別のトリガーを一緒に踏ませる前提の運用となる場合が多いです。
 筆者の所属する調整チームにおいてもGP前に採用候補として検討されていましたが、「《オーリリア》をすり抜けられる利点が大きいので【火光t自然サンマックス】だけ絶対に取りたいのならアリ、他のデッキも見るならもっと受けとしての性能が高いトリガーの方がいい」という結論に終わり、採用から漏れたカードでした。当時は《無限合体 ダンダルダBB》も存在しなかったため今ほど《「本日のラッキーナンバー!」》の枚数が多い環境ではなく、すり抜けの利点をあまり享受できなかったという部分は否めませんが、それを考慮しても対面を強く選ぶカードであるのは事実です。

 適当に入れて強いカードではなく、メインの動きをずらすカードでもなく。あくまで「メタカード」に分類され、環境を綿密に読み切り刺したい相手を明確に意識して初めて輝くテックカード。それが【カリヤドネ】における《スーパー・デーモン・ハンド》の役割であると言えそうです。

今週末のメタゲーム予想

 そのデッキパワーの高さがいよいよ本格的に牙を剥きはじめた【カリヤドネ】。今週末はこのデッキに対抗するか、このデッキに対抗しにきたデッキを狩るか、というような二択でデッキを選ぶことになるかと思われます。
 アンチ【カリヤドネ】デッキの筆頭は【火光ビートダウン】、そして【火単速攻】。これら2つをある程度見つつ、構築・プレイング次第で【カリヤドネ】に対しても明確な不利を付けない【火水クラッシュ“覇道”】、【水闇光ハンデス】。この辺りが現段階で筆者の考える使用候補でしょうか。これ今週の入賞数ランキングそのまま持ってきただけでは……?

 いよいよ新カード発売が目前に迫り、今週末が現在のプールで行われる最後の週となりました。今環境の結論は果たして【カリヤドネ】に落ち着くのか、それとも対抗馬が差し切るのか。ハゲしくアツかりしエリア戦の真っ只中ではありますが、まだまだ殿堂環境からも目が離せませんね!

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それではみなさま、良い週末を!