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「言うてワンチャン」雑感まとめ

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こちらのサイトにある言語崩壊カードゲーム「言うてワンチャン」で遊ばせていただいたので、感想および考察まとめ。見た目はすごくキチキツいですが、かなりオススメのゲームです。

この記事は4〜5人でのプレイに基づいて書かれています。



ルール概要

基本的にはウノと近い感じで、「プレイヤーが順番に、場に出ているカードに応じて自分の手札からカードを出していく。出さない場合はカードを引く」というスタイルです。

このゲームでは場にカードを出すことを「ソイヤ」、出さずに手番をスキップさせてカードを引くことを「投了」と呼びます。
誰かが投了した場合、そのプレイヤーはその時点で場にあるカードの枚数だけ山札を引き、場の一番上にあるカードを残して全てトラッシュに置きます。
原則として投了とソイヤの選択は自由ですが、場にあるカードが「アド」であったり、場にカードが置かれていなかったりすると投了することができません。
誰かが投了するか、あるいは後述するチカラアバレによって山札がなくなった時点で手札が最も少ないプレイヤーが勝者です。

ウノや大富豪と最も大きな違いは、誰かの手札が無くなってもゲームは続行するという点です。このルールによって序盤から中盤に手札を減らすことが必ずしも勝利につながるわけではなく、むしろそのせいで負けてしまうことも少なくないというところがこのゲームの面白みでもあります。


基本カードの色や数字が豊富なウノとは違い、このゲームは4種類しかありません。

アド(20枚)

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チカラ(17枚)

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アバレ(10枚)

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ペス(10枚)

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カードの下部に書かれているのがそれぞれのカードから繋げることができるカード、アバレとペスの上部にのみ書かれているのはこのゲームの重要な要素である「ウェイソイヤ」です。
ウェイソイヤは簡単にいうと役のことで、特定の順序でカードが場に出た時に特殊効果を発揮します。

チカラ→アバレ

ゲーム中最もよく発動するウェイソイヤ。自分以外の全てのプレイヤーがカードを1枚引きます。
単純に手札を増やさせつつ続くカードがペスしかないアバレで相手を追い詰める強力なウェイソイヤではあるものの、引いたカードでトップ解決するチカラのあるプレイヤーも少なくないので過信は禁物です。

ペス→ペス

手札を5枚捨てることができるウェイソイヤ。ただし効果は強制です。
勝利条件に大きく近づくことができるものの、様々な理由で中盤で発動させるにはかなりのリスクを伴います。僕のやった範囲内では一番地味なウェイソイヤ。

アド→チカラ→アバレ→ペス

ジャックポットであり、グランドスラム。次のプレイヤーは場にあるカード、さらにはトラッシュにあるカードまで全て手札に加えます。中盤に直撃するとほぼ勝ち目がなくなってしまう禁断のウェイソイヤです。多くの場合、チャンスカード(後述)はアドチカラアバレペスを回避するためにキープされ続けます。
発動した暁には「決まってしまった〜〜〜〜〜!!!」と全員で叫ぶといい感じに言語崩壊感を楽しむことができるのでオススメです(?)。


ウェイソイヤは基本的に回避する手段がありません。特にアド→チカラ→アバレ→ペスは食らってしまうとかなりの苦境に立たされてしまいます。そんな絶望に立たされたとしても、言うてワンチャンあるのがこのゲームです。

フルチャン

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「希望」を意味するカードです。(ルールブック「ワンチャン2609.txt」より引用)
このカードを出した場合、プレイヤーを1人指名してそのプレイヤーまでの手番をすべてスキップします。アドチカラアバレペスの直撃を受け流す他にも、アバレを受けきれないであろう相手を指名して投了させることでゲームエンドまで持っていくこともできる強力なチャンスカードです。
プレイヤーを指名する形式なので、このカードの存在が確認されるまでは無闇にヘイトを溜めないほうがいいでしょう。

ワンチャン

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「可能性」を意味するカードです。(同上)
出した瞬間から手番が逆回転になります。自分の取った攻撃行動が全て自分に跳ね返ってくる、かなり凶悪な1枚。ヘイト管理なども効かないので個人的には一番恐ろしいチャンスカードです。

ノーチャン

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「絶望」を意味するカードです。(ry
このカードだけは少し特殊で、ウェイソイヤが発動した瞬間に手札から捨てることで、その発動を無効化します。場に出すわけではないので次が自分の手番でなくても使うことができます
ルールブックには規定されていないので正規ルールでは不可能かもしれないですが、僕が遊んだ時はワンチャンやフルチャンによって手番の流れが変わったあとでも使うことができるルールとしました。


また、チャンスカードは共通でワイルドカードのような役割も持っています。チャンスカードが場にある時、次のプレイヤーはその下にあるカードを参照してカードを出します。場にチャンスカードしかない時は、下は空白とみなしどんなカードでも出すことができます。


投了の扱いとチャンスカード及びウェイソイヤの詳細さえ覚えてしまえば、あとの必要な情報はすべてカードに書かれているので、非常に快適に遊ぶことができます。デザインの妙ですね。
この覚えることの少なさが、このゲームをオススメする最大の理由だったりします。


戦術考察

2、3時間で10ゲームほど遊ぶ中で思ったことをいくつか。

ゲームの展開について

このゲームの展開はおおまかに分けてアドループ投了ループ小休止の3パターン。大きな流れとしてアドループと投了ループの2つを軸にゲームが進み、各プレイヤーの手札次第で小休止が挟まる、という展開になることが多いです(もちろん例外もあり)。ただし、有力なプレイングは残りの山札枚数によって少しずつ変わってくるので、その辺りを重点的に解説。

序盤

序盤のゲーム展開は様々ですが、ある程度の手札を確保しておきましょう。中盤にペスとアバレがないとかなりの苦戦を強いられます。

・アドループ
上家が初手でアドを切った場合に頻発します。誰も投了できずにゲームが進む、全員が苦しい展開です。誰かがアバレまたはチカラを切ることによって投了ループに移行します。1、2周程度で済めば大した被弾ではありませんが、3周もしてしまうと序盤とはいえそれなりに厳しくなってきます。
初手で複数のアバレを引いた場合は頃合いを見計らって自分からアバレを出して流れをぶった切るのがよいでしょう。
アバレを出してからは全員がすり減った手札を回復するために投了ループに入ることが多いです。

☆中盤に派生しやすいパターン:投了ループ


・投了ループ
ゲーム開始時の場がアバレの場合はほぼ間違いなく投了ループです。全員が4、5周ほど投了し、手札10枚前後からゲームがスタートする格好になります。
このパターンの厳しいところは、誰かがペスを切らなければほぼゲームが始まらないところです。自分からペスを切ることはよっぽどのことがない限りお勧めできません。なぜならこのパターンが起こった場合、高確率でペス→チカラ→アド→全員が大量に抱え込んだアドを元手にしてアドループの流れに突入するからです。こうなった場合、一つ前のプレイヤーがアバレを出して攻撃してくる流れが一番怖いため、必ずペスを1枚は抱えておく必要があります。

☆中盤に派生しやすいパターン:アドループ


・小休止
アドループできるほどアドを抱えていないプレイヤーがいた場合、1周程度でチカラが出てくることがあります。こうなった場合、次のプレイヤーが投了して、ある程度投了が回った後で誰かがチカラを出し、またしばらくアドが続いてチカラが出て投了……と、基本は投了ループでありながら時々3、4枚程度の被弾が挟まれる穏やかなゲーム展開になります。
この展開の場合、気をつけるべきことは各プレイヤーの手札の枚数差です。特に自分の後のプレイヤーの手札枚数は確認しておきましょう。全員がアドを切る、あるいは全員が投了する前述のループ2種と違い、このパターンでは各プレイヤーの手札にバラツキが出ます。
自分の後のプレイヤーの手札枚数が少ない場合、アドを切ることで苦しい展開に持ち込ませることが出来ます。ある程度アドを回して、もし誰も投了せずに回ってくるようならアバレをぶち込んで一気にゲームを中盤後半まで進めるのも効果的です。総じて攻撃的なプレイングがかなり有効に働くでしょう。
逆に抱えている手札が多い場合は、攻撃も軽く受け流されてしまいがちです。堅実に自分の手札を増やし、受けを強めていきましょう。
手札枚数次第である程度取れる行動が決まってくるので、序盤の小休止ではなるべく手札を抱えておきましょう。

小休止が派生する合図は、アドが連続した時かアバレが出た時のどちらかです。派生せずにそのまま突っ走る場合もありますので、流れには敏感になっておきましょう。

☆中盤以降に派生しやすい展開:すべて

中盤

中盤では主に大量被弾しないことに重点をおいてプレイしていくことになります。


・アドループ
序盤が投了ループだった場合に派生しやすいです。全プレイヤーが手札に溜め込んだアドを次々と乱射していき、みるみるうちに場の枚数が膨れ上がっていきます。適当にアバレを打つだけで終盤をすっ飛ばしてゲームが終わったりすることもあるため、攻撃的なプレイヤーが最も活き活きするパターンです。そうです、僕です。
ここで重要なのは、死んでも投了しないことです。中盤にもなればもう山札の枚数はそれほど多くありません。1周分の被弾でもまあいいかでは済まない量のダメージになります。とにかく誰かに引かせることを考えましょう。場合によってはフルチャンを切る選択肢も十分にありえます。
ただし、アドが1周もせずにチカラが出てしまった場合は小休止に派生させるのも悪くありません。その場合は投了して、次の展開に備えましょう。


・投了ループ
中盤の投了ループはかなり危険です。どんどん山札が減っていくのでどこかで仕掛けないと手札が捌けませんが、うっかりペスを出してしまうと他プレイヤーのペスペスの餌食になってしまいます。ペスのチキンレースです。
ペスが2枚あるのであれば、まだ山札枚数が多いうちにペスを仕掛けて小休止に持ち込んでしまうのがいいでしょう。早期であれば他のプレイヤーがペスペスをするリスクもそれほど高くありません。ただしペス1枚で仕掛けてしまうと、終盤にアバレを受けきれなくなって死亡するリスクも十分考えられるので、ペスが2枚以上ある時のほうが安全です。


・小休止
中盤に小休止へ派生した場合の立ち回りはなかなかに困難です。多彩なカードからウェイソイヤが飛び交う、予想のしづらい展開になるでしょう。
基本的には頭に書いた通り被弾を出来る限り避けるプレイングになりますが、3、4枚程度であれば思い切って被弾する勇気も必要です。
アドチカラアバレペスを食らってしまうと立ち直れないダメージになってしまうので、4人戦の場合できる限りアドは出さないことが望ましいです。
中盤でも後半になってくれば山札の枚数がそれほど多くなくなってくるので、手札の枚数を出来る限り捌くことが重要になってきます。ペスペスを打つのであれば、中盤後半の小休止パターンが狙い目です。
また、チカラアバレで山札の総数を減らしてゲーム展開を進めつつ攻撃するのもかなり強力です。攻めるなら山札の残り枚数を見ることを心がけましょう。

終盤

終盤はパターンと言えるパターンはそれほどありません。思考パターンは手札の少ないプレイヤーがどの程度いるかによって変わります。
また、アバレがかなり強力な札になるので要チェックです。


・多くのプレイヤーの手札が少なく、自分も手札が少ない場合
考えるべきことは「いかにして山札を減らすか?」です。ゲームが終わってしまえば被弾するリスクはありませんし、残り山札が2、3枚しかなければいかに場に20枚のカードがあったとしても投了で受けるダメージは非常に小さくなります。
この場合ではアバレが非常に強力な札になります。単純に攻撃性能が高いだけでなく、チカラアバレで強制的にゲームを終わらせることもできるからです。


・多くのプレイヤーの手札が多く、自分も手札が多い場合
中盤の投了ループは頻繁にここに帰結します。考えるべきことは「いかにして手札を減らすか?」、そして「いかにして他プレイヤーの手札を減らさないか?」です。
ペスペスが最強のパターンになるので、自発ペスはオススメできません。アバレもアバレ→ペス→ペスと繋がるリスクがあるので迂闊には出しづらく、身動きがとりづらい状況になるでしょう。この場面でも、チカラアバレによるクロック促進と他者へのドロー付与がかなり有効に働きます。


ウェイソイヤについて

使いどころさえ間違えなければ強力な手段になるウェイソイヤ。そんなウェイソイヤの有効度をレビューします。


♦チカラ→アバレ 序盤:× 中盤:前半 ▲ 後半 ◯ 終盤:◎
最有力候補筆頭の強力なウェイソイヤ。ペスを強要するアバレというカードが強いのでアバレをトリガーとして発動するこのウェイソイヤもとりあえず強い。
他人の手札を増やしつつ山札を減らせるので終盤の破壊力は随一。
その強力さの割にデメリットがほぼないのが特徴。ただし手札の量がモノを言う序盤はほとんど活躍できない。


♦ペス→ペス 序盤:× 中盤:× 終盤:◎
山札枚数が少なくなると爆発的に強くなるウェイソイヤ。その秘密は投了のシステムにある。手札0枚=次の手番が強制的に投了と同義なのだが、ドロー枚数の上限は山札にあるカードの枚数までなので、山札が少なければ投了のリスクがほぼないのだ。
手札を0にした状態で1ターン回して、次の手番で4枚だけ引いて勝ち、みたいな展開はそれほど珍しくない。多くもない。


♦アド→チカラ→アバレ→ペス 序盤:▲ 中盤:◎ 終盤:◯
大量のカードを対象プレイヤーに押し付ける禁断のウェイソイヤ。「「「決まってしまった〜〜〜〜〜!!!」」」。
性質上トラッシュにカードがあればあるほど強いので終盤のほうが強そうに見えるが、ただひとりの勝者を決める言うてワンチャンというゲームに置いて、終盤に山札が減らず自分の手札も減らないこのウェイソイヤは実はそれほど有効打にならないのだ。どちらかというと中盤にぶちかまして絶対に勝てないプレイヤーを作るのが主目的。
回避にはチャンスカードを使うしかないが、チャンスカードを使って誰かに押し付けた場合、そのチャンスカードが押し付けた相手に渡ってしまうデメリットもある。注意。



そんな感じです。めちゃくちゃ楽しいのでぜひ友達と遊んでみてね。