もの置き

てきとうに色々書きます

【デュエマ】yk800の週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.11【19.11.27】

 どうも、レッドことyk800です。先週末は全国大会の北陸エリア予選が開催されましたね。遅ればせながら僕もぼつぼつとリストを確認していますが、面白いデッキ・意欲的なデッキがたくさん見られて面白いですね。しかし最近の2ブロはアーキタイプが殿堂とほとんど変わらん! 上から2つ3つ見ていくだけだと「あれ? 決勝トーナメントは殿堂構築だったっけ?」と思ってしまいました。思ったより特別な勉強は必要なさそうで安心やら残念やら。
 そんな今ホットな2ブロですが、メタゲーム・ウォッチングは平常運転。今日も殿堂環境をしっかりウォッチングして参りましょう!

先週末の結果総まとめ

 まずは先週末(19.11.23〜19.11.24)に行われたCSの結果を見ていきましょう。
(※元となった大会結果は田園補完計画さんからお借りしています。また、情報の抜け・漏れがある可能性がございますことをご了承ください)


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 幾たび目か、【火水自然ミッツァイル】の躍進。

 ここ最近の記録を見て思ったのですが、1週おきに新デッキ活躍→【火水自然ミッツァイル】傑出→新デッキ活躍→【火水自然ミッツァイル】傑出……のサイクルを繰り返していますね。【火水自然ミッツァイル】が不動の一位であることには変わりませんが、マークの低かった新デッキが注目を集めるとtier2〜3の間でこれらを意識した小競り合いが始まり、結果として広く太いデッキパワーを誇る【火水自然ミッツァイル】が勝ちやすくなる傾向にある、と考えれば納得もできます。
 このサイクル通りの環境遷移が続くとしたら、今週末は別デッキが一気に伸びてくるという予想に。何が来るんでしょうか。というかあれ? 既に躍動の片鱗が……。


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今週のトピックス:【ジョーカーズ軸火水自然ミッツァイル】【カリヤドネループ】

 「【火水自然ミッツァイル】といえばt光」。そんな時代はもはや終焉を迎えたと言えそうです。今現在の環境において、【火水自然ミッツァイル】の主流は完全に《エモG》+《グレープ・ダール》のボード制圧コンビへとシフトしています!


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 このコンビが強い理由はいくつか考えられますね。列挙していくと、

・2→4→6の伝統的なマナカーブの頂点に《エモG》がピッタリハマる。

・《グレープ・ダール》の盤面処理能力がボードの取り合いゲーとなりやすい現環境とマッチしている。

・《エモG》が大きい。バトルによる除去が主流の現環境において、パワー8000は信頼性の高い数値。
・その上で放置すれば延々とアドバンテージを稼ぎ続けるため、相手は看過することができない。結果として、無理な体勢での対処を強要できる。

・新デッキによるジョーカーズシナジーの拡張。《無限合体 ダンダルダBB》は《グレープ・ダール》の墓地肥やしを無駄なく使え、デッキ全体のジョーカーズ比率が大きく向上することにより《ジョラゴン・オーバーロード》を初動として無理なく採用できる。

・《グレープ・ダール》が《マリゴルドⅢ》から登場するうえ、マナの総数を減らさずにJチェンジによって展開・GR召喚ができる。《ダール》は勝手にマナに行ってくれるので《マリゴルド》での再利用も簡単。
・上記に伴い、《BAKUOOON・ミッツァイル》が複数枚絡まなくとも《マリゴルド》→《ダール》→チェンジ《エモG》と動かすことでSA付与役を複数枚立てやすくなっている。単体除去1回だけではワンショットが止まらなくなった。

・2→4→6と動かなくとも、3ターン目までに1回ブーストを撃てれば《ダール》チェンジ《エモG》によって4ターン目にマナドライブ6を達成した状態でGR召喚が出来る。ブーストを2枚引かなくていい&初動が3ターン目でもよくなったので単純に事故に強くなっただけでなく、4マナの時点でブーストを撃たずとも次のターンのバリューを確保できるので、《「ラッキーナンバー」》などの妨害を挟む余地ができている。

 エトセトラエトセトラ。特に最後の項目は超重要。《ダンダルダBB》と合わせて《「ラッキーナンバー」》を最も強く使える【火水自然ミッツァイル】であるというのがこのデッキを主流に押し上げた最大の理由ではないかと考えています。

 既存の【火水自然ミッツァイル】と違い《BAKUOOON・ミッツァイル》の周りを固めるカードたちが相互に強固なシナジーを形成しているため、ミッツァイルが引けない間もある程度戦えるパワーを有しています。近い将来殿堂入りするのではないかとまことしやかに噂される《ミッツァイル》。ですが、さながら《霊気池の驚異/Aetherworks Marvel*1》が禁止された【ティムールマーベル】が【ティムールエネルギー】として健在であった*2ように、このデッキもおそらくは、《ミッツァイル》が1枚になったとしても【火自然水GRジョーカーズ】として生き残っていくでしょう。将来性の面でも要注目のデッキですね。


 もう一つ、先週末に大きく母数・入賞数を伸ばしたデッキが存在します。【カリヤドネループ】です。

 GP9th以降、環境を席巻するのでは? と一部界隈で期待されていた【カリヤドネ】ですが、実際にはその活躍は地味なものでした。というのもこのデッキは非常にプレイが難しく、多くのプレイヤーの習熟が間に合っていなかったのだと考えられます。
 あの熱戦から1か月半が経ち、徐々にプレイヤーの理解度も向上してきました。ここ数週間、リアルのCSのみならず、某Webサイトにて行われている大会においてもベスト4のなかに【カリヤドネ】のアーキタイプ名を見る日が明確に増えてきています。改めてここで、あの恐ろしいコンボデッキの動きを簡単におさらいしておきましょう!


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 最序盤からルーターを連打して手札を整えながら墓地をガンガン増やしていきつつ、もはや毎週このカードの話しかしてない気がしてきた環境最強のカード《「本日のラッキーナンバー!」》などを探し出してプレイ。時間を稼げばそのまま《魔導管理室 カリヤドネ》が着地し、先に使っておいたルーター呪文の雨あられによって自分の山札を全て掘りきり、発掘したパーツを活用しながらライブラリアウトループへと移行します。

 【カリヤドネループ】の強みは何といっても「実質コントロールデッキ」とすら形容されるほどの対応力。受けトリガーに割ける枠も多く、幅広い対面を見ることができる地力の高さが持ち味です。もちろん苦手・得意は存在しないわけではないのですが、【火光ビートダウン】と【火単速攻(及び火単“B-我”)】以外に明確に苦手と言える対面はほぼ存在せず、環境最上位の座をほしいままにし続ける【火水自然ミッツァイル】に対して明確に有利が付くなど、デッキ自体のポテンシャルは環境内でも随一。

 「ルーターを連打する」ことが勝利に直結するデッキ構造上、《「本日のラッキーナンバー!」》や対面に合わせたテックカードを拾ってくることが容易。
 その一方で、特に先攻時には相手のデッキをよく知らないままルーターを撃たざるをえない場面もあり、カードの取捨選択がシビアです。「さっき捨てたあのカード、このターン欲しかったなぁ……」みたいな場面に出くわすことはひとつの大会中に二度や三度では済まず、そのミスが原因で一気に窮地に立たされてしまうことも頻発します。

 一般的に、選択肢が多ければ多いほど「正解のプレイ」に辿り着くことは困難になります。このデッキを構成するパーツはほとんどがコスト1〜3。3ターン目から2アクションを視野に入れて動く機会もかなり多く、そのうえ「ルーター」というこれまた選択の幅が広いパーツがデッキの3割近くを占めています。つまり、このデッキは他のデッキと比べて、同じターン数の中でも圧倒的に選択の機会が多いということ。
 カードの取捨選択・《ラッキーナンバー》の宣言などに環境の理解度やカードプールの知識が要求されることも多いとあって、この辺りがプレイの難易度を大きく引き上げている要因となっています。

 実際、CSではプロプレイヤーをはじめとした強豪プレイヤーの使用例が増えているようです。「勝ち」を狙うプレイヤーがこぞって注目を集める【カリヤドネループ】、練習を始めるなら今すぐにでも、ですよ。

 猫も杓子もGR召喚な現代デュエマの中で、盤面にカードを一切展開しない【カリヤドネループ】は極めて異質なデッキであり、狙い澄ました対策を施そうとすると環境の他デッキへのマークが大幅に下がってしまいます。どうしても意識を上げたいというのであれば、幅広く刺さるデッキの多い呪文メタ(《音奏 プーンギ》、《ファイナル・ストップ》等)、《Wave ウェイブ》や《ダンダルダBB》の流行によって腐る対面の減った墓地対策(《ポクタマたま》、《お清めシャラップ》等)が有効でしょう。重要なのは、「可能な限り対策カードのコスト帯を散らし、複数種採用する」ことです。1種だけでは《「ラッキーナンバー」》に狙い撃たれる可能性があるので、どれかを4枚、という採用の仕方は避け、2:2に分割して採用すると良いでしょう。

HOT TECH

《無双と竜機の伝説》


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 最初に使用例が報告されたのは3週間ほど前の九州だったでしょうか。先週末、【火水自然ミッツァイル】にこの特殊なExターン獲得呪文を採用した構築が一定数見られるようになりました。
 はじめに見たときはパッとしないカードだというのが正直な印象だったのですが、今週となると話は一変します。なぜか? そう、《無限合体 ダンダルダBB》によって簡単にこの呪文を射出できるようになったからです。

 そもそも、《エモG》型の【火水自然ミッツァイル】はかなり火マナに乏しいデッキです。というのも、《グレープ・ダール》のチェンジ先は基本的に《エモG》以外に存在せず、このコンボは使えば使うほど火マナが削れていきます。にもかかわらず複数枚の《ミッツァイル》=複数枚の火マナを前提としなければ突破できない盤面は少なからず存在します。特に《全能ゼンノー》が関与するパターンで頻発しますね。そこに行くとこのカード、《無双と竜機の伝説》はフィニッシャー枠でありつつも火マナを埋めてくれる点がナイスです。序盤にマナに埋めたとしても、このアーキタイプは《ミッツァイル》→《マリゴルド》→《グレープ・ダール》からの墓地送りというルートを経由することによって欲しいタイミングで《無双と竜機の伝説》を墓地に装填できます。ちょうど《ミッツァイル》を出すための火マナをこのカードから捻出すればタップマナを墓地に送ることになるので効率的ですね。

 フィニッシュカードとしての強みは言わずもがなですが、最たる魅力は「テンプレずらし」への対応力の高さでしょう。《「本日のラッキーナンバー!」》は多くのトリガーを止められるとはいえ、その全てをケアできるわけではありません。《閃光の守護者 ホーリー》、《仰ぎ見よ閃光の奇跡♪》、《終末の時計 ザ・クロック》。現在テンプレ構築に入る機会の少ないこれらのカードですが、それゆえに《「本日のラッキーナンバー!」》や《ジェイ-SHOCKER》に対して一定の耐性を持っているという利点は存在します。ただでさえトーナメントシーンではどんなカードが飛んでくるかわからない混沌とした環境、何を踏んでもExターンによって安全な1ターンを見込めるのは既存のフィニッシュカードにはない利点であると考えられます。
 もちろん《単騎》+《ラフルル》という鉄板コンビも存在しますが、やはりカードパワーの低さが目立ちます。フィニッシュターンにしか役割を持てないうえにデッキのスロットを2枠を圧迫する《単騎》+《ラフルル》と比べ、こちらはフィニッシュ以外のターンに唱えて1ターンもらうだけでも十分凄まじいアドバンテージを生んでくれます。同一ターン内に《ダンダルダ》が攻撃できれば追加ターンおかわり。それが無理だったとしてもこの呪文はしっかり墓地に残るのでまた次のターンに射出することも可能と、さすがは《ボルバル》の系譜と言いたくなるパワーカードっぷり。採用枚数も1枚で問題なく動くのでスロットに少しながら余裕ができるのも見逃せません。

 好みは分かれるところではありそうですが、少なくともバリエーションのひとつとして定着するのではないでしょうか。

今週末のメタゲーム予想

 気持ち的には「やっぱり【火水自然ミッツァイル】が板やろ……!」というところなのですが、データを見ると今週は新興勢力のターンです。とはいえ、最近の【火水自然ミッツァイル】には《無双と竜機の伝説》が採用されはじめていますからね。ここでExターンを取って快進撃続行、ということも十分に考えられるでしょう……。

 ……とまあ冗談はさておき、今週動向に注目したいのは【カリヤドネ】。個人感情大いにありですが、単純にここ最近の流行っぷりを見るに、まだまだ伸びる余地はあるのではないかと考えられます。先述の通りあまり環境の影響を受けないデッキですし、「ようやく使い手が育ってきた」のだとすれば勢いが弱まる理由はありませんからね。
 ジョーカーズ軸の【火水自然ミッツァイル】は以前にも増して【火光ビートダウン】系に対して有利を取りやすくなっていますから、【カリヤドネ】の天敵が頭を押さえつけられている今こそが活躍の最大のチャンスともいえるでしょう。頑張ってくれ【カリヤドネ】!(私信)

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それではみなさま、良い週末を!

*1:M:tGにおけるスタンダードの禁止カードです。デュエル・マスターズで言うと「リソースを消費するかわりに、繰り返し使えて、自分に選択権があり、呪文も唱えられる《ミラクルとミステリーの扉》」みたいな感じ。そら禁止されるわ。

*2:前述の《霊気池の驚異》はスタンダード禁止カードに指定されたものの、《霊気池》とそれによって出す前提のカードを全て抜き、《霊気池》を起動するためのリソースを全てアドバンテージ拡充に費やしたミッドレンジデッキがそのまま環境のトップに居座り続けました。結局のところ、コンセプトを成立させる周辺のキーパーツである《霊気との調和/Attune with Aether》・《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》が禁止されるまでトップメタであり続けたカラデシュ環境を代表するデッキのひとつです。