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【デュエマ】yk800の週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.10【19.11.20】

 どうも、レッドことyk800です。ふたけたー!
 継続は力なり、ということで今週ももりもり「圧倒的成長」していきたいと思います。
 毎週全く違うメタゲームを見せてくれるデュエル・マスターズ「圧倒的感謝」🙏🙏🙏✨✨✨

先週末の結果総まとめ

 まずは先週末(19.11.16〜19.11.17)に行われたCSの結果を見ていきましょう。
(※元となった大会結果は田園補完計画さんからお借りしています。また、情報の抜け・漏れがある可能性がございますことをご了承ください)


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 躍進する火文明の雄、【“B-我”】・【NEXT】。

 今週も圧倒的なパフォーマンスでトップを維持する【火水自然ミッツァイル】、それに続く【火水万軍投ジョーカーズミッツァイル】と【火光ビートダウン】。このメンツはもはやお馴染みのものとなりましたが、その支配率には大きな変化が生じました。上位3アーキタイプの支配率が合わせて40%以内に収まるのはVol.6以来実に4週間ぶりの出来事です。

 上位陣に負けないポテンシャルを発揮し、先週末の4番手・5番手へ付けたのは【火単“B-我”ライザ】と【モルトNEXT】。目指す終着点やゲームプランの取り方は大きく異なりますが、どちらも即効性の高い盤面処理能力と1枚2枚からの超過打点形成能力に優れており、これらの特色が先週末の環境に適応していたことが伺えます。

 上位シェア4%以上のデッキが大きく数を増やしつつも、入賞したデッキタイプ自体もかなり幅広く、新プール追加直後というフィールド特性も相まってかここ1ヶ月ほどの中ではかなり健全度の高いメタゲームを形成した週であったと言えるでしょう。

今週のトピックス:【火単“B-我”ライザ】

 Vol.8の週にて一度トップ5入りを果たしたものの、先々週にあたるVol.9の週ではやや勢力を落とした【火単“B-我”ライザ】。流行はいったん落ち着いたものと思いきや、ここに来て再ブレイクを果たしました。

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 ブレイクの最も大きい要因は有力な【火単“B-我”】プレイヤーの方が有料noteを公開されたことにあると思いますが、もちろん環境的に追い風が吹いていなければ勝てないのがデュエル・マスターズ。なぜこのデッキが勝てたのかを検討していきましょう。

 まずはデッキのメインプランをおさらいです。
 2ターン目に1体、3ターン目に2体のビートジョッキーを展開し、4ターン目に《ダチッコ・チュリス》などを挟みながら《龍星装者 “B-我”ライザ》の着地を狙うのが最も基本となるパターン。これだけではやや速度が足りていませんが、実際には《一番隊チュチュリス》+《ダチッコ・チュリス》の爆発的軽減コンボや《クラッシュ“覇道”》でお馴染み《“必駆”蛮触礼亞》など様々な手段を活用して、《“B-我”ライザ》や《“罰怒”ブランド》を3ターン目に戦場へと送り出し、【火単速攻】さながらの3ターンキルを決めにいくパターンを視野に入れつつゲームプランを組み立てていきます。トリガーケア手段はほぼ皆無ですが、《“B-我”ライザ》の生み出す過剰すぎるほどの打点・強烈な盤面そのものをある種のトリガーケアとして見る設計思想のデッキです。《こたつむり》は返しでのワンショットを制限しているという点である意味その役割を担っているのかもしれませんね。

 トリガーケアの少ない最速3killビートダウンというと【火単速攻】とどう違うんだ? という部分が最も気になりますよね。両者の違いは様々ありますが、特に大きな差異は2つ。

⒈高いボードコントロール能力

⒉ベクトルの異なる複数のフィニッシャー投下手段


 まずは⒈について。筆者独自の見解ですが、【火単“B-我”】の成立を影から支える土台こそが《DROROOON・バックラスター》です。


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 【火単速攻】においてはやや重いこのカードも、このデッキにおいては《一番隊チュチュリス》や《ダチッコ・チュリス》によって簡単に3ターンに登場することが可能。現在の環境上位に君臨する3デッキはどれもバトルゾーンのクリーチャー総数が勝利条件に直結してくるため、素早い《バックラスター》、続く《ラスター》おかわりや《HAJIKERO・バクチック》などでボードを次々と潰していくことが有効に働く場面が増えています。先々週から流行している《Wave ウェイブ》を一方的に処理できる点においても非常に評価が高いですね。
 《奇石 ミクセル》などのメタクリーチャーが出されてしまった場合にも《バックラスター》は大活躍ですし、それに限らずとも《“必駆”蛮触礼亞》で《“末法”チュリス》を出してバトル効果で処理してから《“B-我”》をめくりにいくことができます。相手の盤面を枯らしつつ自分の盤面はより強力に。このテンポ獲得能力は一般的な火単速攻にはないものです。

 また、これらのカードでゲームが引き延ばせることによって、速攻デッキとしては異例なほどのロングゲームを見ることもできます。引き方にもよりますが、具体的には5ターン目、6ターン目までは十分に「ゲームができる」デッキです。
 《バックラスター》によるボードコントロールはより長いレンジを戦えるだけのカードパワーを保障しながら、シンパシーのタネを作ることができるために《“B-我”ライザ》というコンセプトカードとも強い結び付きを持つ、このデッキにとっては欠かすことのできない強みの一つとなっています。

 そして、ここで得たボードアドバンテージを引き継ぐ強みが⒉。

 このデッキは《“B-我”》を早期着地させるためのルートを、大きく分けて2つ持っています。一つは《チュチュリス》や《ダチッコ》、自分自身のシンパシーを利用した「軽減ルート」、もう一つは《“必駆”蛮触礼亞》、《“末法”チュリス》の能力によって召喚させずに登場させる「踏み倒しルート」。

 軽減ルートは《ダチッコ・チュリス》によるターボ召喚を除けば手札は使わないものの盤面の状況に依存し、逆に踏み倒しルートは手札を確保する必要はあるものの盤面の状況を意に介しません。これがどういうことかと言えば、手札を攻めてくる「だけ」、盤面を潰してくる「だけ」では【火単“B-我”】の対策としては不十分であるということなのです。
 ハンデスだけで盤面を処理できないようではトップから降ってきた《“B-我”》をシンパシー込みで簡単に着地させてしまうし、逆にボードを精一杯除去したとしても《“必駆”蛮触礼亞》から踏み倒されてはさほど有効には働きません。引き方に依存してしまうことは事実ですが、「ハンデスと除去、どちらかだけでは不十分」という事実がこのデッキにロングゲーム耐性をもたらしているもう一つの要因であると考えられます。

 また、《“B-我”》のエントリー手段が多種多様であるがゆえに、狙い撃ちでのメタが困難です。《「本日のラッキーナンバー!」》は《“必駆”蛮触礼亞》や《“末法”チュリス》からの踏み倒しで貫通することができますし、呪文封じも《触礼亞》こそ止まれ、デッキ単位ではほとんど影響を受けません。メタクリーチャーについても、軽減ルートではシンパシーを活用した「コストを支払っての召喚」による登場が可能であるため、《百発人形マグナム》や《異端封じ オニカマス》、《洗脳センノー》に《ポクチンちん》などで止めることが困難です。一応《奇石 ミクセル》で止まりやすいという弱点は存在しますが、それも《DROROOON・バックラスター》によって比較的簡単に対処できてしまいます。

 【火単速攻】や【火水万軍投ジョーカーズミッツァイル】といったデッキは「ハンデスにも」「除去にも」、その両方に弱いという脆さを抱えています。しかし【火単“B-我”】は最速キルターンが変わらないながらも、「どちらかだけであれば、どちらにも対抗しうる」という稀有な特性を持っています。


 反面、受けが全くと言っていいほどないことに加えて、SA付与の手段も《“B-我”》のG・G・Gに大部分を頼っているため、序盤からシールドを破られて手札が増える速攻デッキとのマッチアップはやや苦手そうです。また、様々なプランをデッキ内に備えつつもハンドリソースを拡充する手段は存在しないので、相手のプランと噛み合いが悪いカードばかりを引いてしまうと難しいゲームになってしまうという弱点も抱えています。ピーピングハンデスなどで取りうるプランが筒抜けになってしまうと、せっかくの強みを活かしづらい展開になってしまう可能性が高いでしょう。


 「3ターン目にめちゃくちゃな盤面を作る」と言うような話ばかりを聞いていたため、爆発力とめくり力だけのデッキであるかのように感じていましたが、実際にはキル速度とデッキの太さを高い水準で両立する強力なデッキでした。今週の活躍にも期待が高まりますね。

HOT TECH

《メガ・マグマ・ドラゴン》


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 8月初頭、「絶対王者!! デュエキングパック」にて獲得した新戦力《爆熱王DX バトガイ銀河》を引っ提げて華々しい活躍を見せたのも束の間、突如襲来した覇権デッキ・【デッドダムド】の波に押し流されて以降、愛好家の手によって細々と使われ続けていた【モルトNEXT】。これといった新たな戦力をデッキに迎え入れたわけではないにもかかわらず、ここに来て不死鳥のごとく復権を果たしました。と言ってもGP期に話題となった《爆流忍法 不死鳥の術》軸の構築ではなく、少し前に目立った《焦土と開拓の天変》入りの構築でもなく。
 活躍の立役者となったのは、《メガ・マグマ・ドラゴン》です。先週末に入賞した【モルトNEXT】のリストを見てみると、ほぼ全てのプレイヤーがこのウィニーキラーを3枚、4枚と採用しています。

 先々週から続くように、

・GRクリーチャーを活用した横展開を《BAKUOOON・ミッツァイル》がリソース・打点へと変換する(【火水自然ミッツァイル】・【火水万軍投Jミッツァイル】・【火光ミッツァイル】など)

・《「本日のラッキーナンバー!」》などで相手の動きを封殺しながら展開したGRクリーチャーや小型獣で複数ターンに渡って殴る(【水闇ハンデス】・【デッドダムド】)

 という二大戦術が現在の環境上位デッキの基本的な勝ちパターンです。いずれも勝ち筋を盤面の小型クリーチャーに依存しているということは、言い換えれば即効性のある全体除去で盤面をリセットすると勝ち手段に辿り着くまでの時間を大きく遅らせることができるということ。そこで白羽の矢が立ったのが《メガ・マグマ・ドラゴン》なのです。2ターン目の《メンデルスゾーン》に成功すれば自己軽減能力によって3ターン目にも着地を見込めるうえ、5000というべらぼうに広い火力範囲は、ウィニーはおろか中堅どころのクリーチャーさえも焼き尽くしてしまいます。
 また、このカードはキーカードである《超戦龍覇 モルトNEXT》とコストが分散しているため、時間を稼ぐために使われた《「本日のラッキーナンバー!」》をすり抜けて相手のボードリソースを枯らすことができるというのも、ひとつの大きな強みでしょう。

 もうひとつ【モルトNEXT】というデッキの抱える武器が《ボルシャック・ドギラゴン》。このカードは環境を定義していると言っても過言ではない《「本日のラッキーナンバー!」》の影響を受けず、さらに【火水自然ミッツァイル】からは《単騎連射 マグナム》が姿を消している傾向にあるため、現環境において通りが非常に良くなっています。
 そんな現在の環境に適応しまくっている《ボルシャック・ドギラゴン》ですが、自身の登場時能力だけでなく、めくったカードの登場時能力までもを使えるので、デッキトップ次第ではより大きなリターンを得られます。もはや言わずもがなではありますが、ここにも《メガ・マグマ・ドラゴン》の強みが。
 《ボルシャック・ドギラゴン》でこのカードをめくれば《メガ・マグマ》の登場時能力により全体5000火力を放つことができます。ほとんどのGRクリーチャーを一掃しつつ、バトル能力によってGRたちの親玉である《ミッツァイル》までもを処理できてしまうわけですね。これを乗り越えることのできる「殴り勝ち」狙いのデッキは現在の環境にはほとんど存在せず、極めて強力なカウンター要素として【モルトNEXT】の活躍の一端を支えています。

 手撃ちで強く、めくって強く。メタゲームに非常に鋭く突き刺さる《メガ・マグマ・ドラゴン》こそ、現在の環境における【モルトNEXT】の最大の強みではないでしょうか。

今週末のメタゲーム予想

 火文明のビートダウンデッキが大きく勢力を増し、直接的に動きやすくなると予想されるのはオーソドックスな【火単速攻】系デッキ。水のクリーチャーが増加し破壊されやすくなった《羅神兵ボロック》を減量するなど少し構築を考える必要がありますが、《ザパンプ》の登場により更なる速度特化のデッキへと変貌しつつある【火水万軍投Jミッツァイル】・光の全体ストップ系の受けが減量されて以前にも増してアグロでの貫通を見込やすくなったジョーカーズ軸の【火水自然ミッツァイル】の流行など、環境的には追い風。《全能ゼンノー》というピンポイントな弱点を乗り越えることができれば悪くない選択肢であると言えます。
 ただし、当然のことながら環境に合わせてデッキは変わっていくもの。後述のような既存デッキの傾向変化も予想されるため、フィールドを良く読んでお使いください。

 次に、既存のデッキに起きる変化を考えてみましょう。これらの物量で押し切るタイプのデッキが隆盛するとなると、単体を止めるシールド・トリガーで受け切るのは困難。最近は光文明の採用数が減少傾向にあった【火水自然ミッツァイル】が《閃光の守護者ホーリー》や《スローリー・チェーン》などを戻してくる可能性は十分にあると言えるでしょう。
 これに限らず、環境全体として面受けの方向に寄る可能性が高いと考えられます。ストップ系トリガーの代表格である《終末の時計 ザ・クロック》も、対策こそされやすいもののカード単位として弱くはありません。これを活用できる《撃髄医 スパイナー》入りの墓地ソースのようなデッキも考えられますね。また、【デッドダムド】のように《「本日のラッキーナンバー!」》で4を宣言されやすいデッキが《クロック》を採用してみる、というのも面白いアイデアかもしれません。

 久しぶりに大きな変動を見せたメタゲーム。「対ミッツァイル」を標榜するドラゴンたちの下克上は果たして翌週にも続くのか、それとも対抗勢力が鎮火してしまうのか。今週末の動向も要チェックですね。

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それではみなさま、良い週末を!