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てきとうに色々書きます

【デュエマ】yk800の週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.5【19.10.16】

 どうも、レッドことyk800です。台風一過の水曜日、皆さんの地域は影響のほど如何でしたでしょうか。本当にやばかったらこんな記事読んでねえよ! というのはごもっともすぎて返す言葉もなく。
 今回の台風は危険度の周知が早かったために早めのCS中止をご決断された主催の方々も多かったようです。参加者の安全が第一ですからね。何かとひりつく時期ではありますが正しい判断だったと思います。まとめる側としてはサンプル少なくて助かりますし

 筆者の住んでいる地域は幸運にもほとんど台風の影響を受けていないのでこうやって記事を書けていますが、明日は我が身の精神を忘れないようにしたいですね。なんの話がしたいのかよくわからなくなってきたところでそろそろ本編行っちゃいましょう!


先週末の結果総まとめ

 まずは先週末(19.10.12〜19.10.14)に行われたCSの結果を見ていきましょう。
(※元となった大会結果は田園補完計画さんからお借りしています。また、情報の抜け・漏れがありますことをご了承ください)

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 久方ぶりに訪れた「一強」不在のメタゲーム。

 書き出しで述べたとおり先週末は中止になったCSも少なくなく、サンプル量があまり多いわけではありませんが、おそらく各地で近い形のメタゲームが展開されていたのではないかと思います。
 上位陣はもはや誤差に近いレベルの入賞数で4つ横並びになっており、現在のメタゲームの複雑さが伺えます。


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 今更言うまでもないことではありますが、現在の環境を定義しているのは間違いなく《BAKUOOON・ミッツァイル》。2トップである【火単速攻】・【火水自然ミッツァイル】はもちろんのこと、今回5位に食い込んだ【自然単ネイチャー】でも多くの構築でタッチ要素として2枠をこの超GR時代の風雲児のために用意しています。
 超GRゾーンというギミックが更新され続ける限りまだまだ強くなる余地があるのも恐ろしい点。「《ミッツァイル》を制するものはデュエル・マスターズを制する」と言っても過言ではないでしょう。


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 【ジョラゴンジョーカーズ】、【火水クラッシュ“覇道”】はそれぞれ2トップのうちどちらか(【ジョラゴン】は【ミッツ】、【覇道】は【火単】)に有利・もう片方に対しても五分に迫る勝率が取れるデッキで、その他のローグデッキに対してもトリガー運は絡むものの広く刺さる勝ち筋があるのが特徴です。

 【ジョラゴンジョーカーズ】はもはやTier2の代表格とも言えるほどの立ち位置を確保しました。現代デュエル・マスターズにおいて極めて有効なロック能力を持っている《アイアン・マンハッタン》を最も強く使えるデッキであり、最速4tで《ジョラゴン》の着地が可能と速度の観点でもデッキのパワーは十二分。
 
 【“覇道”】はGPでの結果こそ振るいませんでしたが、引きに対する依存度が高いために長いラウンドを戦わなければならなかったGPのフィールドに適していなかった部分が大きく、デッキそのものの強みである3t《触礼亞》+《“覇道”》の理不尽さは全く衰えていません。

 【ジョラゴン】は1枚で大きくリソースを稼ぐ手段が薄い点、【“覇道”】は基本的に2枚コンボからしかリソースを稼げない点でどちらも引きの要求がタイトな部分がありますが、それを補って余りある最大値の大きさが魅力であると考えられます。
 もちろん活躍の背景には環境的な要因も少なからずあり、そちらの方は次のコーナーで。

今週のトピックス

 今週は目新しいデッキがあまりないので、デッキ紹介コーナーとしての役割はおやすみ。今回は環境の構図についてボチボチお話ししていきたいと思います。

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 現環境における4強の特徴と大まかな相性をまとめたものがこちら。相性については統計を取っている訳ではなく、多分に筆者の主観交じりですのでその点にはご容赦をば。

 まず、環境の「上と下」をそれぞれ【火水自然ミッツァイル】と【火単速攻】が定義しているのは多くの方がご存知かと思います。
 【ミッツァイル】はデュエマから7ターン目以降を消し去り、【火単速攻】の3ターン致死打点を受け切れないデッキには人権がなくなりました。これらの状況を踏まえるに、「受け札を都合8枚(=期待値1枚ライン)以上搭載しつつ、できれば平均4ターン、遅くとも5ターン目までの勝利を目指せる」デッキでなければ現在の環境で生き残ることができない、という結論が導き出されます。もちろん【ジョラゴン】も【“覇道”】もこれらの条件を満たしていますね。

 しかしながら、【火自然水ミッツァイル】という劇薬が環境に及ぼした変化はこれだけに止まりません。

 このデッキの登場で起こったことは大きく3つ。

⒈《単騎》+《ラフルル》ロックを有する【ミッツァイル】のワンショットを受けて返すのはほぼ不可能であるため、「受けるためだけ」のカードをデッキに搭載することが難しくなった

⒉《天啓 CX-20》を筆頭としたマナドライブ6を持つGRクリーチャーたちが手札1枚から爆発的なリソースを稼いでくるため、1:1交換・1:2交換といった細かなアドバンテージを積み重ねる戦術がほぼ意味を為さなくなった

⒊《DOROROOON・バックラスター》の隆盛によって、選ばれない能力を持っている《異端流し オニカマス》以外のメタクリーチャーをプレイすること自体がリスクになった

 ⒈の恩恵は周囲の3デッキ全てが受けていますが、特に助かっているのはおそらく【“覇道”】。このデッキは《“必駆”蛮触礼亞》から繰り出された《クラッシュ“覇道”》がバウンスやマナ送り、《終末の時計 ザ・クロック》などを踏み抜いてしまうと、テンポ面だけでなく《触礼亞》と減った手札の計2枚ぶんのアドバンテージ損も発生してしまうために、他のデッキタイプ以上に早期のトリガーリスクが大きいデッキでした。
 しかし、⒈で述べたような条件を達成しつつなおかつ《“覇道”》のExターンを食い止められるカードはかなり数が限られるので、これまで(ダムド期もまた別の要因によってトリガー枚数が減っていたので、それ以前)よりも圧倒的に《“覇道”》が通りやすい環境になったと言えます。
 もちろん【ジョラゴンジョーカーズ】において《マンハッタン》後の《ジョラゴン》生存率が大幅に向上しているのも重要なファクターです。これまでは効果に割り込んで処理される呪文トリガー1枚でチェインが繋がらないリスクが大いにありましたが、現在の環境では《マンハッタン》のブレイクが大幅に通りやすくなったと感じています。

 ⒉の恩恵を大きく受けているのは【ジョラゴンジョーカーズ】でしょう。《ガヨウ神》の殿堂入り以後、このアーキタイプは1枚から爆発的にリソースを稼ぐ手段を失ってしまいました。《燃えるデット・ソード》は枚数こそ稼げるもののそもそも《ジョラゴン》が着地してからしか役割のないカードなので《ガヨウ神》の穴は全く埋まっていませんし、《ヘルコプ太》はというとドロー枚数を稼ぐために手札を吐かないと意味がない都合上タメが作れるわけではなく、プランを増やすカードにはなり得ません。
 1枚からアドバンテージが稼げないということは、言い方を変えれば1:1交換や1:2交換といった細かいアドバンテージの損失に非常に脆いということです。そもそもコンセプトである《ジョラゴン》自体が手札をコストとしてビッグアクションを起こすカードですから、ハンデスでじわじわ締め付けられればこちらは大きなアクションを取ることができないままズルズルと相対的に不利な状況に陥ってしまう、という欠点を抱えていました。
 しかしながら現在のデュエマは、いくら地道なハンデスで手札を絞ろうと雑なGR召喚から《天啓》をめくられて3ドローでむしろこちらがアド損をしかねない魔境です。こんな環境でコツコツ妨害を積み重ねるのは率直に言って割に合っておらず、結果として環境上位からハンデス系のデッキは姿を消しました。これが【ジョラゴンジョーカーズ】復権の強い動機になったのではないかと考えられます。

 ⒊の恩恵も特に【“覇道”】が大きく受けるものでしょう。つい3週間前までは《奇石 ミクセル》が幅を利かせていたメタゲーム、GP9thを挟んだ現在では大きくその立場を弱くしています。《オニカマス》は相も変わらず厳しいですが、ツインパクトではなく《ミッツァイル》に対して何かできるわけでもないため、そちらを強く使えるデッキはかなり数が限られています。【“覇道”】を除けばせいぜい【火水革命チェンジ】ぐらいのものでしょう。
 これにより《“覇道”》の通りやすさがもう一段押し上げられているのは、かのデッキにとって小さくない利点ではないでしょうか。


 最速の【火単速攻】と最遅の【火水自然ミッツァイル】が定義するフィールドをその他のデッキが駆け回る、というのが現環境の構図。この枠組みはかなり強固で、殿堂入りによる規制が入るまでは、今後どれだけ強いカード・デッキが出てきたとしてもここを逸脱することはおそらく困難であると思われます。
 「受け札が8枚以上」「キルターンが4〜5ターン」この2つの条件は新デッキを考えるにあたって当面のキーワードになることが予測されます。続々と発表されている新カードもこれらの視点を持ってチェックしていきたいところですね。

HOT TECH

《龍装艦 チェンジザ/六奇怪の四 〜土を割る逆瀧〜》


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 今週はこれ!というカードがあまりないので何をピックアップするか迷いましたが、今回は【火水自然ミッツァイル】をはじめ自然と水をフィーチャーしたデッキにおいて心強い1枚となるこのカードをチョイス。

 vol.3で言及したように、【火水自然ミッツァイル】というデッキは2→4→6のアクションの間にハンドリソースを稼ぐ余地のないデッキです。マナを最速で伸ばしたもののGRから出た《ダダダチッコ・ダッチー》が不発したり、そもそもマナドライブ6持ちがめくれなかったりして後続が続かず負け、というパターンは決して珍しくない頻度で起こります。
 貴重なアドバンテージカードである《知識と流転と時空の決断》ですが、このカードはできればGR面で撃ちたいところ。となると純粋に手札を稼げるカードを追加で採用するのは決して悪くない選択肢です。

 《龍装艦 チェンジザ/六奇怪の四 〜土を割る逆瀧〜》は、手札から召喚した場合枚数カウントそのものは増えませんがカードを2枚引くことができ、さらに追加で1アクションを取れる可能性のある強力なカードです。前述の《知識と流転と時空の決断》を上から引いてくれば2回GR召喚をすることができますし、《「本日のラッキーナンバー!」》で相手の動きを制限すれば高確率で次のターンにも動かすことができます。2枚目の《チェンジザ》も《土を割る逆瀧》の面で唱えることによって無駄になりません。
 コストが6のクリーチャーということで《ダダダチッコ・ダッチー》の踏み倒し範囲内なのも大きいですね。言うまでもありませんが《ミッツァイル》の存在下では同一ターン中にルーティング能力を2回使うことができるのでよりフィニッシュ手段に近づきやすくなります。

 リソース確保手段としての《チェンジザ》も強力ですが、このカードの強みはやはり下面である《土を割る逆瀧》も有用なロック手段であるという部分にあるでしょう。現在の環境では長期にわたって影響を及ぼすものの簡単に対処されやすいメタクリーチャーによる妨害より、短いながらも対処手段が存在しない呪文やクリーチャー能力によって生成される継続的効果による妨害の方がより強力です。
 当然ですがデュエル・マスターズというゲームにおいてクリーチャーが一回だけ攻撃して勝つ手段はほぼ存在せず、シールドが残っている状態で《逆瀧》を撃てば殴り勝ちをゲームの終着点とするデッキ相手には確実に1ターンをもらうことができるのです。
 そして【火水自然ミッツァイル】は「その1ターンで勝つことができる」デッキなのですから、相性の良さはいうまでもありませんね。

 既存の構築にそのまま突っ込むだけでも一定の活躍が見込めますが、より強力に《チェンジザ》を活用するために《烈王“轟怒”飛流投》を4枚投入したパワフルな構築もちらほらと見られるようになりました。枚数カウントそのものでは《知識と流転と時空の決断》と同じですが、このデッキにおけるGRクリーチャーの役割は圧倒的に量よりも質。コスト4が3枚上に固まってしまう裏目こそあれ、戦況に合わせて3枚の中から好きなGRクリーチャーを選べるのは大きな利点です。

 「早く走った方が勝ち」になりがちなミラーマッチにおいて「より確実に走る」ためのドローをもたらす《チェンジザ》、「強制的に走ることを禁止する」《逆瀧》の2枚はどちらも非常に強力です。
 今後も【火水自然ミッツァイル】の有力な選択肢として度々CS結果のリストのなかで目にすることになるのではないでしょうか。

《*/弐幻サンドロニア/*》

 

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 迷ったと言いつつもう1枚、【火水クラッシュ“覇道”】からこのカードをチョイス。カードリストが公表された時点で「こいつしれっとそこそこヤバいこと書いてね?」と感じたこのカードが、ついに頭角を現しはじめました。やはり山札を3枚も掘れるカードは凄い。

 既存の構築では【クラッシュ“覇道”】は3ターン目のアクションが非常に手薄になっていました。もちろん場に打点が出ていてコンボが揃っていれば投げつけるのですが、例えば2ターン目の《貪欲な若魔導士 ミノミー》が返すターンに除去されてしまったりした場合、ここでコンボを投げるかどうかはかなり悩みどころです。仮に手札に《MANGANO-CASTLE!》があったとしても、相手のシールドが3枚も残っていると《グッドルッキン・ブラボー》をめくらなければジャスキル打点を組むことができません。
 《KAMASE-BURN!》を採用している場合はこちらのプレイも考えられますが、メタクリーチャーの数が減った現環境では以前よりも使いづらさが増していますし、そもそもの話として、コンボが揃っていなければさらにどうしようもありません。

 そこを埋めてくれるのがこの《*/弐幻サンドロニア/*》。不発のある《ミノミー》と違って確実に手札を減らすことなく、山札を3枚も掘ってカードタイプを問わず足りないパーツを探しながら、さらに盤面に殴れるクリーチャーまで残ってくれる文句なしのテキスト。さらに言えば特定の対面においてGR召喚の試行回数を増やしてより場に送り出しやすくしたい《ポクタマたま》がこのデッキには入っていますし、まずもっておおよそ1/2の確率でこのカードはコスト3のW・ブレイカーに化けてしまいます。3ターン目の手札調整のついでに出てきていいスペックではありません。

 汎用的なパワーカードという訳ではなくコントロールには向きませんが、手札に特定のカードを揃えることをコンセプトとし、なおかつ打点による勝利を狙うコンボビートダウンのようなデッキにとってはまさに待ち焦がれていた存在。単純にカタログスペックが高いために無理にGR召喚ギミックを多用するデッキでなくてもGRの恩恵を授けることができるのが何よりの面白みです。
 【火水レッドゾーン】なんかでも採用の余地がありそうですね。

今週末のメタゲーム予想

 今週末は新カードが登場するのでメタゲーム予想はひとまずおやすみ。
 久しぶりの特殊パックですがかなり張り切ったスペックのカードが連日公開されていてワクワクが止まりません。筆者はすでに《“魔神轟怒”万軍投》を使ったおおよそ人様には見せられないレベルのクソデッキを10個ほど作りました。楽しすぎますよ、あのカード。

 筆者の主観的には間にGPが挟まったせいか新プール追加までのペースが異様に早く感じましたが、なんにせよ新たなカード・デッキが登場するのは楽しみという他にありません。今週末の結果を見るのが今から楽しみですね。

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それではみなさま、良い週末を!