もの置き

てきとうに色々書きます

【MtG】《空の縛め/Sky Tether》を味わいつくすUWコントロール

f:id:yk800:20190315000512j:plain

ダイヤまできたよ!!!

先月末はゴールド1でランクマッチを終えたので今月はゴールド4からスタート。
月の折り返しまでに8ランク上がれたとなると、自分の実力を考えるとかなり勝てた方だと思います。

というわけでさくさくっとデッキ紹介に。



f:id:yk800:20190315000844j:plain

4《活力回復》
3《一瞬》
1《否認》
4《吸収》
1《残骸の漂着》
3《薬術師の眼識》
3《解任+開展》
2《思考純化
2《浄化の輝き》
4《空の縛め》
2《アズカンタの探索》
2《イクサランの束縛》
1《ミラーリ予想》
3《ドミナリアの英雄、テフェリー》


土地は青白レア土地全ツッパで


 実はUWコントロールという選択肢に行き着いたのは、前回のバントフラッシュをいじくってる間に、《空の縛め/Sky Tether》を採用してみたところ、感触が非常によかったことに始まります。

 あのバントフラッシュ、途中からマナトラブルが多すぎてプレイしづらい《エリマキ神秘家/Frilled Mystic》が抜けてよりフライヤービートダウンに寄ったのです。その上でプレイしてみると、まあアグロに勝てない。
 強いアクションが3ターン目のビッグスイングに集約される白単はともかく、青単赤単はかなり厳しいです。
 赤単についてはバーン気味の構築が主流だった頃こそ有利だったのですが、3月初頭ごろからは《狂信的扇動者/Fanatical Firebrand》が3〜4枚採用されているスライ寄りの構築が大多数を占めており、苦手な横展開をされる機会が幾度となく増えてしまいました。

 そこで彼らアグロデッキ群に対する対抗措置として白羽の矢が立ったのが《空の縛め/Sky Tether》(以下テザー)。
 実際に採用してみると、これがまあ強いこと強いこと!

青単対面

 先手1tクリーチャー展開→2t執着的探訪+潜水or呪文貫きという鉄板ドブンアクションに対して、後手からでも1ターン目に妨害が間に合う軽さが非常に魅力的。
 基本的に青単テンポは文字通り「相手の除去に対して軽い打ち消しで対応することによってマナ効率の有利を取る」ことが強みのデッキなので、テザーのように軽くて効率的な交換をしづらいアクションに対して比較的脆い面があります。
 特に《大嵐のジン/Tempest Djinn》をテザーで止めることができた時の快感たるや……!
 ただし《セイレーンの嵐鎮め/Siren Stormtamer》には絶対に撃ちたくない。

赤単対面

 先1《ギトゥの溶岩走り/Ghitu Lavarunner》や《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》、《遁走する蒸気族/Runaway Steam-Kin》など、テザーの撃ち先に困ることは基本ないです。
 ここでもやはり1コスということで、手数や交換比率の面で損することがほぼありえないという魅力が活きます。《遁走する蒸気族》はマナ能力の方が止まらないので一見あまり意味がないように見えますが、いざやってみると驚くほど捌きやすい。クロックが大幅に落ちる→顔にプレッシャーがかかりづらい→アドバンテージ源を弾く余裕ができる→クロックが伸びづらい、という好循環で、たった1種4枚の採用で大幅にやりやすさが増しました。
 ただし《狂信的扇動者/Fanatical Firebrand》にはできれば撃ちたくない。

その他ミッドレンジ等

 1マナの確定除去、それも死亡を介さないのですから、弱いわけがなく。
 実際にプレイしていると本当に感じるのですが、実のところ立っているだけで仕事のあるクリーチャーというのは現環境トップクラスのデッキにはそれほど多くなく、除去できないことで困るのはせいぜい
・《セイレーンの嵐鎮め》
・《狂信的扇動者》
・《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal》
・《災いの歌姫、ジュディス/Judith, the Scourge Diva》
・《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》
・《パルン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Parun》

など、ごく少数に止まります。

 スゥルタイなどのcipでアドバンテージを取っていくデッキのカードに対してはほとんど確定除去と変わらない感覚で運用できますし、イゼットドレイク・フェニックス両デッキに対しても3コス、4コスの主力をたった1マナで封じることができるキラーカード。《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》もきっちり後腐れなく処理できるのが非常にえらい。

 また、プラチナ帯で比較的多く遭遇した《正気泥棒/Thief of Sanity》入りのエスパーコントロールに対しても有力。お互いにマナを構え合うエスパーとの対面において1マナでも多く残せる軽量除去は重要です。

 ここにさらに《拘留代理人》まで加えて、これで環境最強のバントフラッシュや!!!!

 ……と思っていたのですが、本来勝てるはずのコントロール対面での勝率が著しくダウン。さらにこれだけメタりまくったアグロに対しても、結局引きムラやマナトラブルで負けてしまうなど、なかなかにパッとしません。
 3日ほどプラチナ4から出られないまま過ごしたのち。このままでは永遠にダイヤモンドに到達できないと悟った私は、ひとまず初心に立ち返り、一からデッキを組み直すことを決意しました。


 これまでのプレイ感から、《空の縛め/Sky Tether》が環境の多くのデッキに有効なのは確定的に明らか。つまり、このカードを最も強く使えるデッキを組めばいいのです。

 そもそも、バントフラッシュは根本的に2t《成長のらせん》→3t《荒野の再生》を中心とする、青緑基軸のデッキです。テザーのマナコストは(W)、効率の観点から見ても、アグロ相手に1ターン目から撃ちたい場面が多々あることから見ても、使うべきは白を使った2色以下のデッキであることに疑いはありません。

 では、逆に考えてみましょう。《空の縛め》が入ることによってネクストレベルに進みうるデッキとは何か。

 軽量の除去は赤と黒には数多あります。これらのカラーリングは除外。
 白を軸として、緑か青がデッキ。しかし、白緑というカラーリングは地上戦が基本になってくるので、大型の地上ブロッカーを量産してしまうテザーとの相性はいまひとつ。
 もちろん無理をすれば航空戦力主体のデッキも組めなくはないでしょうが……。必要なのはこのようなカードではなさそうです。

 となれば、選択肢は白単か白青。
 ここで、白単は除外されます。このカラーリングはあまりに妨害に弱く、除去こそ多様性に富んでいますが、そのほとんどはエンチャントかソーサリーであり、インスタントスピードでアクションを取ってくる青系コントロールには敵うべくもありません。

 答えは一つ。そう、白青コントロールでした。

 本来エスパーでは黒が担う軽量単体除去を白いテザーが埋めてくれることによって、トラブルを起こしやすい3色デッキである必要性は大幅に下がります。ハンデスができない、という明確な弱みは残るものの、マナベースに余裕ができたことによるプレイストレスのなさは特筆するに値します。エスパーだと2コスのアクションが2色要求、さらにその次の3コスでは違うカラーリングで2色or3色要求など、タイトなマナ要求から来るキープorマリガンの判断が非常に難しく、加えてショックインによるライフ損失や、トップから出る土地の裏目などのストレス要因も抱えています。

 ですが、青白ではどうでしょう。基本的に青2枚白2枚あればどんな呪文でも唱えられる上に、2コスまでのカードは全てシングルシンボルですから、「土地2枚だけど後手だし平地あるしテザーとキャントリ(《活力回復》)あるからキープ!」みたいなゆるキープが頻繁に発生し、しかもそれでまあまあ勝ててしまいます。
 裏目が発生するのもせいぜい「青い土地の2枚目が全然来なくて《吸収》撃てねえ」っていうパターンぐらい。

 では青黒の2色はどうか? このカラーリングも比較的強力ではありますが、パーマネント対処能力が低い点、特に環境で広く猛威を振るうエンチャントに対して完全に無力な点は決して看過できるものではありません。
 全体除去も不確実なものが多く、中マナ域以降の戦力を多く保持するデッキ相手には不安が残ります。
 そして、これは個人的に気になるだけなのですが、有力な軽量アクションのほとんどがソーサリースピードなのはいただけません。これでは相手にカウンターを警戒させることができないですし、何よりコントロールデッキは「相手のエンドに動いてる」時が一番強いのですから、できる限りデッキ内のカードはインスタントスピードで動けるものにしておきたいところです。


 反面、白には《浄化の輝き》、《残骸の漂着》という方向性の異なる2つの全体除去があり、青白ではそれらを十全に使うことができます。軽量単体除去という面においても、2t目以降しか撃つことができず、4マナなければ2+2で構えることのできない黒の除去よりも1t目から撃つことができ、3マナの段階で1+2で構えることのできるテザーを擁する白の方が、むしろ強力であるとさえ思うほどです。
 更に言えば、白には万能追放エンチャントや《帰化》系インスタントも豊富に存在し、《浄化の輝き》はクリーチャーをあまり使わない《荒野の再生》系デッキに対してもエンチャント破壊モードで撃つ機会が頻繁に訪れます。《ケイヤの怒り》しか採用していないエスパーではこうもいきません。
 そしてインスタントスピードでのアクション。《残骸の漂着》という異例中の異例である「インスタントのラス」はもちろん、
・サイクリングできるためにどんな相手でも腐らず、赤単相手にはキャントリップ付きの《否認》と化す《活力回復》
・タップで1t止めつつサイクリングorある時はライフ回復付きのフォグでありある時は分散2点火力、テフェリーでマウント取ってからはフィニッシャーまでこなす、器用さにおいてはスタン指折りの《解任+開展》
・足止め要員にしてアダプトキラー、しかし一番輝くのは《ヴラスカの侮辱》からテフェリーを守る瞬間。あらゆるパーマネントを1ターン遅らせ、致命的な隙を作ってくれる《一瞬》
等々、キッカーや分割などで序盤から終盤まで腐らないカードが目白押し。

 序盤はバウンスやテザーで足止めして土地を伸ばし、余裕を持ってラスを撃ち、更地にPWを着地させ、勝利を収める。かように伝統的なコントロールムーヴをするのであれば、エスパーよりも青白の方に分があるのではないでしょうか。


 ……とまあここまで長々と話しましたが、これはアリーナスタンダードでのお話。通常のサイド有りBO3であれば、黒のサイドカードが非常に強力なので青白コンという選択肢は生まれえないでしょう。

 1本先取制であり、試行回数がモノを言うアリーナスタンダードでは、マナの基盤の安定度合いというのは非常に重要であり、アリーナで赤単や青単が強い、というのもそのあたりの事情が大きく影響していると考えます。
 2色ゆえに安定感があり、序盤の動き出しが早く、勝ちパターンもわかりやすいこのデッキはアリーナのシステムにマッチしていたので、そこそこ戦えたのではないかという分析です。

 では今回はこのあたりで。みんなも《空の縛め》を使って、その強さを体感してみてくれよな!