もの置き

てきとうに色々書きます

神トラ調整録/青白トリガービート

 お久しぶりです、レッドです。先日GP6thに参加してきました。

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紙オタク集う朝8時の幕張

 調整期間中の話をしてもいいんですけど死ぬほど長くなるので今回は概ね2つのデッキに絞って書きたいと思います。しかもボツになったデッキの話の方が長いんですけど許してね。


Fragile

 今回のGPに向けた調整の動き出しはマジで早く、なんと2ヶ月以上前からのスタート。殿堂入りによって環境を定義していた猛者たちは去り、新たなる息吹「ツインパクト」の情報が次世代ワールドホビーフェアやコロコロで続々と紹介され、新たな時代の訪れを期待させる期間となっていました。
 この段階で発表されたカードの中でも、僕の、というかほとんどすべてのDMPの目を奪ったのがこのカード。

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ヤバい(白目)

 そう、《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ。殿堂施行後一気に幅を利かせたカマスセンノーでしたが、僕は「今こそオリオティス環境なのでは?」と考えていました。当時チュリスバスターの後を追う形で環境トップ争いを繰り広げていたマキシマム入りジョーカーズ、流行の萌芽を感じさせていたゲイルヴェスパーに加え、まだパッとはしないもののリストが完成すれば一気に勢力を拡大することが予想されるデスザーク。さらに、ジョーカーズの小型を封印しつつ《龍装 チュリス》やサイキック・クリーチャーからの《ドギラゴン剣》チェンジを封じることができる《暴走龍5000GT》擁する墓地ソース。
 これらのデッキの活躍が見込まれる環境であることに加えて、《単騎連射マグナム》は殿堂入りによって追い落とされる一方、《ミラクルストップ》はノータッチ、《ラフルル》は殿堂入りこそしたものの《神秘の宝箱》や《次元の霊峰》からサーチして《ドギラゴン剣》でノータイム射出が容易、ジョーカーズに至っては《ジョジョジョ・マキシマム》という武器まで手に入れ、呪文トリガーが非常に厳しい立場に置かれる環境。コントロールはかなり苦戦を強いられることが予想されるため、素早く仕掛けたいデッキは増加の一途を辿ると予測。《制御の翼 オリオティス》が強い環境であるのは明白です。ここまでが1月の殿堂入り発表時点で考えていた部分。

 そして2月15日、コロコロコミック紙面上で発表された《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》。このカードを見た瞬間、僕はすぐに白単サザン・ルネッサンスの開発に着手しました。
 理由としては
 ⑴強いと予想されるオリオミクセルを一番シンプルに活用できる点
 ⑵ダンテからチャフを射出するロックが非常に強固である点
 ⑶呪文トリガーの通りが悪くなる反面、クリーチャーによる受けは比較的通しやすいと考えられる点。特にダンテを無視できる革命ゼロトリガー、コスト8以上のクリーチャートリガーはかなり信頼できる。よって《ホーリー》+《ミラクル・ミラダンテ》のパッケージが強い。特に《ミラクル・ミラダンテ》は返しにそのままダンテチェンジして勝ち切りが見える重要なカウンターファクター。

 ちなみに青白にまとめず白単に寄せた理由は、《ソルハバキ》からのスムーズの動きが強みであるのに多色を増やしたくはなく、またダンテ+チャフという必殺技を何としてでも手札に揃えることを目標としたデッキである以上、革命チェンジのために相手の盾を殴りにいかなければならないリスクを許容したくなかったためです。サザンというデッキにおいてはこれが正解だったと思いますが、これが後々まで尾を引きずり、多大なミスを引き起こしてしまうことになります。詳細はのちほど。
 とにもかくにも、何も考えず取り合えずリストにまとめたのがこちら。

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最初期型

 しばらく回してみた感想として

ホーリーが弱い。ただでさえトップで強いカードが少ないデッキでこれ以上味がしないカードを採用するのは困難。
・序盤に除去を撃ってくるデッキが絶望的。青白と違ってアド損しないカードが極めて少ないのでリソース管理は至難。《時の玉ミラク》はドロソ。
・トップが弱い。
・ミクセル4じゃチュリスに勝てない。オリオも欲しい。
・7マナ貯めてミクセルにミラミラ重ねつつチェンジするとミクセルが手札に戻ってくるのでそのままチャフが撃てて強い。
・トップが弱い。

 つまるところこのデッキが抱える最大の難点はカードパワーの低さ。多色カードを採用できないがためにそのデメリットはさらに厳しいものとなっています。

 そのあたりをカバーしつつ苦手な除去コンハンデス系統に対する当たりを強くするカード……。というわけで次に開発したのがこちら。

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シャイニー入りサザン

 《超次元シャイニー・ホール》は万能カードで、除去に対しては《シャチホコ》、ハンデスに対しては《パンツァー》、メタクリに対してはタップしてから《ギャラクシー》覚醒で処理。《アンタ》*2のバラマキもサザンにとっては十分有用であり、トップでのカードパワーも上々。最終段階まで常に2枚入り続けたカードです。
 《天鎖》は《フェイウォン》とセットで強固な守りを実現しつつ、2ターン目の《ミクセル》が盾を殴れば即エンジンとして起動しだすのが魅力。こちらも最終段階までそのまま。

 しかし依然として全体的なモッサリ感は否めず。ロージアのように走れるカードがなく、序盤の横展開が押さえ込まれたり、サザンが引けなかったりすると苦しいのは火を見るより明らかです。せめて火文明みたいに召喚酔いしないクリーチャーがいれば……召喚酔いしないクリーチャー? 進化クリーチャーじゃダメ?

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これこそがソリューション!

 《聖霊龍王ミラクルスター》は僕が見つけたマスターピースでした。バトルゾーンにあるクリーチャーを手札に戻しつつ盤面2面を止めて3打点、パワー12000という屈強なボディはタップキルにももってこい。《ソルハバキ》からの進化速攻も十分視野に入れることができる範囲ですし、何よりダンテ+チャフだけではどうすることもできない「すでにバトルゾーンにいるクリーチャー」に対しての明白な回答。
 デスザーク使いのチームメイト、池粕ニキからも「そのカード嫌」とのお言葉を賜るなど、手応えはバッチリ。
 ミクセル解禁数日後のvault大会に練習がてら持ち込み、運にも助けられて準優勝。手応えを胸にこのデッキとの心中を誓います……が。この決勝ですでに暗雲は立ち込めていたのです。

ジョーカーズに勝てない」

 調整開始時点では有利だと思っていたジョーカーズに、とんと勝てない。勝てるはずだったんです。全てをぶち壊したのはこのカードの流行でした。

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なんやこのオリカァ!

 《ジョジョジョ・マキシマム》の攻撃も《ジョリー・ザ・ジョニー》のブロック不能な2打点も、《ミラク》+《フェイウォン》の前には無力〜〜〜〜wwwって思ってたんですよ。思ってたんです。でも飛んでくるじゃないですか。除去飛ばしながらパワー12000の3打点が飛んでくるじゃないですか。まあ無理なんですよね。こっちもウィニーだらけなんで、多少コストの小さいジョーカーズだろうと吹けば飛ぶクリーチャーがわんさか。
 あのカードさえいなければ有利判定なんですが、勝てないものは仕方ない。調整段階でも勝ち越していただけに悔しいですが、認めねばならないあまりにも残酷な事実。時を同じくして《ガンバトラーG7》が発表され、環境にジョーカーズが跋扈することはもはや確定事項。

 こんなクソデッキを練ってみたりしていろいろ抵抗を試みましたが……

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 結局のところ多少盤面除去ってみたところで時間稼いだ先に単体で走れるカードがあるわけでもなく、かといってジョーカーズ特有の詐欺じみた莫大なリソースを捌き切れるわけでもなく。ついでにいうと後手に回った場合4ターン目に雑に走られると除去もないため基本4ターン目以降しかプレイする気のない赤いカードが間に合わないのもあり、あえなく断念。
 デッキとしては失敗だったものの《“乱振”舞神 G・W・D》の出張性能の高さを学べたのは収穫だったかなと思います。赤11枚くらい取れれば他のカードを必要としないので、スロットの空きが大きいデッキであればどこでも入れるんですよねこのカード。

eye-to-eye

 ダメだとわかれば次のデッキ。この時点(4月初頭)での環境予測はだいたいこんな感じ。

Level0:ジョーカーズ
Level1:バスター、デスザーク
Level2:ビッグマナ(シャコ系)、ダンテ(ロージア、青カウンター)、ハンデス、墓地ソース

 圧倒的なデッキパワーを誇るジョーカーズを頂点として、そのジョーカーズを食いに来るバスターとデスザークの2つを合わせてトップ3、それらトップ3のうち最低2つを見ることができるLevel2のデッキ群、といった形。
 チームメイトとのここまでの調整で、トップ3の中でもデスザークは頭一つ抜けて強い、というのが僕の中での認識でした。
 豊富な除去と墓地回収、軽減から繰り出される無限の手数と《卍デ・スザーク卍》の盤面制圧力、さらに環境で最強のカードの一角である《爆霊魔 タイガニトロ》を擁するこのデッキのデッキパワーは他に類を見ないもの。上手いシャコと青カウンターダンテ以外のデッキタイプほとんどに対して有利がつくといっても過言ではないと感じました。
 GPというフィールドの都合上、上位卓まではアナシャコのようなデッキも少ないという読みもあり、バイケンの入ってないデッキほとんどに対して有利を取れるデ・スザークは少なくとも予選段階では非常に強力なデッキタイプであるという予想。

 というわけでトップ2の中でもデスザークとジョーカーズにフォーカスを当て、これら2つに有利を取れる(かもしれない)デッキをいろいろ試してはみたのですが……。

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除去ってヴェノミックで一方無限リソース!ヴェノミックバスター

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チャージャーニトロでハンド縛って封印すれば怖くない!赤黒マゲ

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マナ伸ばしてパワカで勝ち!緑ゼニス

 これらのデッキ全部バスターに勝てず、チームで協議した結果GPではバスターが多いだろうという予測が立っていたため断念。マゲはそこそこ可能性を感じましたが、全部に対して5割5分という感じで回られれば普通に負けうる点、盾の要求値が高い点、プレイングを残り2週間で詰められる気がしなかった点。デッドゾーンが高い点。様々なハードルが立ちはだかったためなんやかんや諦めました。
 あと緑ゼニスは普通にめちゃくちゃ面白いので遊ぶのにはオススメです。ジョラjoeが天才カード。

 この時点で残り2週間ですが、さらに悲劇的なことに、ここでトライナリーの周年イベントが直撃。地獄のACT3期間、全力でトライナリーをぶん回していたためほとんどデュエマに触ることができませんでした(ただの自業自得)。気付いたころにはもう東京行き前日。「なんかシャコ勝ってるしカードもあるしサザンでよくねえ?(キラードンなしのシャコ対面は練習中の勝率8割)」という気持ちがふつふつと湧き上がる中、とりあえずカードをひっつかんで夜行バスに。

Menoce

 翌日、チームメイトのそぉいさん・池粕さんと合流し、アキバの洞窟にピットインして対面練習。相変わらず有象無象やシャコに対してはかなり強いものの、懸念通りジョーカーズとデスザークにマジで勝てない。デスザークに対して不利なのも予想通りで、《堕魔 ヴォーミラ》が登場前が微不利〜五分だったのが明確に無理な対面に変わっていました。具体的にはドゥポ使い回しが無理。基本的に盤面に直接触れるカードがないため、強力なシステムクリーチャーの追加は死活問題です。
 先ほどの通り、僕はデスザークというデッキに対して軽くトラウマに近い恐怖心を抱いているため、デスザークに全く勝てないデッキは使う気になれず。そぉいさんの対面練習相手として成長ダンテ相手にジョーカーズを回しながら、ホーリーコントロギミックの前に幾度となく足踏みを食らってふとあるアイデアが浮かびます。

ホーリーコントロ+ジェイルハウスロックってどう?」

 ジョーカーズや対策のないビートダウンに対して無類の強さを発揮するホーリー+コントロパッケージ。

 

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 ダンテチャフ下でも問題なく動くことができ、スパークさえ踏ませれば相手のクリーチャーが何体いようと全てタッチ困難な領域に閉じ込めるジェイルハウスロック。


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 盾操作によって確実にホーリーを踏ませつつこれらを揃えることができれば、殴ってくることを勝ち筋とするデッキのほとんどに対して有利が取れるのでは? また、デスザークに対しても相手がフィールドに触る手段がない以上、一回ジェイル張ってあとはドローゴーでホーリーまでたどり着けば不利は覆らないまでも勝ちうるのでは?
 GP前日の夕方5時、僕はホーリーを求めてアキバをさまようオタクと化していました。ホーリー売ってねえし高え!!!僕はホーリーを1枚しか持っていなかったため、このギミックを使うのであれば買わなければなりません。いろいろ回ってフルコンプで550*3。痛い出費でしたが仕方ない……。

 戻ってきてさあデッキを組もうという段階でさらに気付きます。エメラルーダも足んねえ。フルコンプで150円*2。やすかった。ついでに使うかもしれないカーネルやらサルトビやらも購入し、とりあえずサザンに無理やりぶち込んでみたところ、感触はかなり悪くない。
 しかし、全体的にもっさりするうえにサザンがお荷物になることが多く、「このデッキじゃねえな」という感想に。

 その後その日のお宿(ネカフェ)に場所を移していろいろ試しているところ、救いの神そぉい先輩からこんな提言が。
「それもっと軽い方に寄せてトリガービート気味にした方がよくないですか?」
 ……トリガービート?
 何を隠そう目の前のお方はタテブエクロックの第一人者、そぉい先生。トリガービートの理解度は世界一。僕はトリガービート使ったことないので細かい部分のカードチョイスは大部分をお任せしつつ、完成したデッキを元手にトップ3とスパー。

そんなに回数回せたわけではないので体感の結果ではありますが、概ねバスター7割、ジョカ10割、デスザーク4割。ついでに成長も7〜8割(メタクリ引けないと負け)。……これは悪くないのでは???
 この時点でGP当日の深夜2時。深夜のテンションそのままでこのデッキを使うことを胸に決め池粕さんと交代するように就寝。

 起きてからリストを見返して「……これビマナ無理すぎねえ?」と思ったものの乗りかかった船。ええいままよとデッキシートに48枚を記入して戦地へ赴きます。

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 不利対面のビッグマナに2回ぶち当たって負けてしまった部分以外は全て勝ちを拾えた試合であったため、チーム戦であれば、という前提はつくかもしれませんがデッキのスペック自体は非常に高かったと思います。GPというフィールドに緊張していた(というのは言い訳でしかないですが……)のもあってありえないレベルのミスを5回以上に渡ってやらかしてしまい、悔いの残る結果となりました。

 個人的に今回の反省点は3つ。
 まず1つに、これはチームメイトお二人からも指摘が入りましたがプレイが焦りすぎている点。もっと自分の目的と取りたいアクションを明確にしてからカードを動かさなければいけませんでした。友人どうしの巻き戻しアリなカジュアルプレイに慣れきっているのもあって慎重にプレイしなければという意識が非常に薄かったのは本当に問題でしたね……。これは日常から意識的によく考えてプレイするよう習慣づけなければいけないのと同時に、競技イベントに参加し続けて場数慣れしていくのが一番なのかなぁと感じます。
 2つ目に、同じダンテチャフが入っているデッキであるサザンのプレイ感を引きずりすぎてしまった点。青白サザンはともかく、直前まで使用候補だった白単サザンは莫大な手札から確実にダンテチャフ込みの6打点を揃えることがゴールのデッキで、ミクセル→天鎖などのアクション以外では基本的に盾を殴りにいかないデッキです。一方、このデッキはトリガービートの名を冠する通り、「相手の盾を手早く0枚にしつつ自分の盾にはホーリーを埋めて確実にターンを返してもらう」、いわば「トリガーでトリガーケア」するデッキ。この認識が足りなかったがゆえに、5回戦のバスターとのマッチアップで殴れば明らかに勝ちに行けた局面でボードを取りに行って時間切れゲームロスになってしまいました。このことに関しては本当に悔いても悔やみきれませんが、デッキのゴールを把握できていなかったたのはプレイとはまたレベルの違う部分でのミスでした。
 3つ目は、デスザークを脅威視しすぎていた点。デッキパワーとしてデスザークが図抜けているという雑感は今でも全く覆るものではありませんが、それ以外にも見るべきデッキはたくさんありました。もう一度GPに参加できるとしてもこのデッキで出たいと思いますが、それでもデッキ候補のリストアップ段階で「デスザークには勝てないが他に対して強いデッキ」の評価点をもう少しあげても良かったのではないかという思いは少なからずあります。

 この悔いはいつか必ず晴らしたいと思います。性格的に向いてないだろうなぁとは思いつつも、この借りは絶対に返す。あと次元のカードもそぉいさんに返す。

 今回の記録は以上となります。最後に、チームを組んでくれたそぉいさんと池粕さん。TLで応援してくださったフォロワーさん方。GP本戦で対戦していただいた対戦相手のプレイヤーのみなさまに最大限の感謝を。